「同級生10人から性器を直接触られた」 性的マイノリティが受けた「暴力」の実態

弁護士ドットコムニュース / 2014年11月26日 18時30分

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女性が女性のことを好きになる「レズビアン」、男性のことも女性のことも好きになる「バイセクシャル」、心と体の性別が一致しない「トランスジェンダー」など、性的マイノリティの人たちが、パートナーや周囲の人たちから受けた暴力に関する調査結果がまとまった。その結果、身体的な暴力や性的な暴力を受けている人が少なくないことが浮き彫りになった。

この調査は、性的マイノリティに関する情報を発信している「ゲイジャパンニュース」がNGOと協力して、2010年11月から2012年3月にかけて国内で実施。計50人のレズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーの人たちを対象にインタビュー方式でおこない、調査報告書にまとめた。

調査では、身体的な暴力と性的な暴力に加え、精神的な暴力も、被害者へ大きなダメージを与えるものとして重視。それも含めた「暴力」を受けた経験をたずねたところ、回答した全員が性別をめぐって、何らかの暴力を経験していたことがわかった。50人のうち、身体的な暴力を経験した人は14人、性的な暴力を経験した人は28人、精神的な暴力を経験した人は31人だった。

●レズビアンをカミングアウトして上司に無視された

たとえば、あるトランスジェンダーの女性(男性の身体で生まれたが、自分を女性と認識)は高校生のとき、同級生の男子10人以上からいじめにあった。その際に、性器を直接触れられるという「集団暴行」を受けたという。調査報告書には「自分の中ではなかったことにしました。(記憶を)抑え込もうとしたけど、忘れようにも忘れられない」という発言が記録されている。

また、介護施設で働いていたレズビアンの女性は、職場でレズビアンであることをカミングアウトした結果、3年以上にわたって、上司や同僚から無視されるという精神的な暴力を受けた。最終的には体調を崩し、退職に追い込まれてしまったという。当時の上司からは、「レズビアンとかそういう人だと女性の利用者さんの身体は不自由だし抵抗できない、いたずらされたりするとちょっと不安だな」と言われていたのだそうだ。

●回答者の半数以上が「自殺を考えたことがある」

ほかにも、インタビューに応じた50人中27人が「自殺」について一度は考えたことがあり、このうち5人は実際に自殺未遂の経験があると回答した。「将来的に自分の人生がよくなるとも思えない。変わんないかもと思ってそれが辛くてもうダメだと思った」。27人には、このように「将来を描くこと」に困難を感じる傾向が見られたという。

あるトランスジェンダーの男性はインタビューから半年後に自殺した。ゲイジャパンニュース共同代表の山下梓さんは、「仕事の面接を断られたり、家族・学校に受け入れてもらえないなど、ネガティブな経験が積み重なることが『暴力』になりえる」と話している。

この調査のくわしい報告資料は、ゲイジャパンニュースのサイト(http://gayjapannews.com/news/lbtviolence.htm)で近日中にダウンロードできるようになるとのことだ。

(弁護士ドットコムニュース)

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