「労働者を1日12時間以上働かせてはいけない」労働弁護団が「過労死防止」試案発表

弁護士ドットコムニュース / 2014年11月28日 22時7分

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過労死防止を国の責務とした「過労死防止法」が施行されたことなどを受け、日本労働弁護団は11月28日、「あるべき労働時間法制の骨格」と題した試案を発表した。

労働弁護団幹事長の高木太郎弁護士らは厚生労働省で記者会見を開き、「過労死を防ぎ、子育てや介護などと仕事を両立させ、働き続けられる環境を整えるためには、長時間労働を合理的に規制する必要がある」と説明。長時間労働を抑制するための2つの法改正案を提案した。

その2つとは、(1)「総労働時間」の上限を定めることと、(2)勤務が終わったあと次の勤務までの間に、しっかり休める時間を確保する「勤務間インターバル」の規制を作ることだ。

●1週間に働けるのは「55時間」まで

現行ルールでは労使協定を結べば、1カ月45時間、1年で360時間を限度として、時間外労働をさせることができる。しかし、実際にはこれを超えた時間、働いている労働者が多数いる。「特別の事情」があれば、それを延長する協定が結べるためだ。労働弁護団は「日本には労働時間について実効性ある上限規制がない」と指摘する。

そこで試案では、総労働時間の上限をはっきりさせたうえで、それに違反した場合に罰則を付けるべきだとした。

具体的な数字としては、時間外労働を含めた労働時間全体の上限を1日あたり10時間、週あたり48時間とする。労働協約による延長を認めるが、それでも1日12時間、週55時間を限界とする。さらに時間外労働は、年間220時間までとしている。

●勤務と勤務の間の休息「11時間以上」を義務化

もう一つ、労働弁護団が打ち出した規制案が「勤務間インターバル」だ。これは「勤務を始めてから24時間以内に、連続11時間以上の休息時間を与えなければならない」というルールだ。

このルールが導入されると、一回の勤務が終わってから「11時間以上」経たなければ、次の勤務が開始できなくなる。たとえば、午前0時まで働いたら、翌日は午前11時からしか勤務できなくなるわけだ。

(1)と(2)の2つのルールは、みなし労働時間制で働く労働者や、管理監督者にも適用し、適用除外となるのは、災害等非常時対応の場合だけだとしている。

労働弁護団は今後、厚労省や労働団体、NPOなどに案を提示し、議論を呼びかける方針。事務局長の菅俊治弁護士は「長時間労働問題を解決するため、どのようなルールが必要なのか、考えていくきっかけにしてもらいたい」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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