「STAP問題は科学者コミュニティに突き刺さった矢」 理研調査委が報告書を発表

弁護士ドットコムニュース / 2014年12月26日 11時8分

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STAP論文の不正について調査を進めていた理化学研究所の「研究論文に関する調査委員会」(桂勲委員長)は12月26日、東京都内で記者会見を開き、調査結果を発表した。調査委は、小保方晴子元研究員の不正行為を新たに認定し、「STAP論文はほぼすべて否定されたと考えてよい」と強調。論文の問題を見逃した共同研究者にも責任があると指摘したうえで、「科学コミュニティ全体の対応と努力が求められている」としている。

●STAP論文は「非常に問題が多い論文」

調査委は、STAP細胞とされていたものは、別の万能細胞である「ES細胞」の混入に由来すると認定したうえで、「これだけ多くのES細胞の混入があると、過失というより誰かが故意に混入した疑いをぬぐえない」とした。また、小保方元研究員が、細胞増殖曲線実験とDNAメチル化解析において、データのねつ造および改ざんという不正行為をおこなったと判断。今回明らかになった不正は「氷山の一角」にすぎず、「非常に問題が多い論文」と指弾した。

さらに、STAP論文に「実験記録やオリジナルデータがないことや、見ただけで疑念があること」を共同研究者や論文の共著者が見落とし、「明らかに怪しいデータがあるのに、それを追求する実験を怠った」責任は重いと指摘。特に、小保方元研究員の研究室の長だった若山照彦氏と、STAP論文をまとめるのに主たる役割を果たした笹井芳樹氏の責任が大きいとした。

記者会見で、調査委員会の桂委員長は「小保方氏を指導する立場にある研究者が、この論文の問題の可能性を感知できたはずだが、実際はその検討をしなかった」「これだけおかしいことがいっぱいあるのに、なぜ、非常に優れた研究者の眼を通って世に出てしまったのか、不思議だ」と述べた。

そのような「見逃し」が起きた背景として、報告書では、「特許や研究費獲得や著名雑誌への論文掲載は、本来、悪いものではないが、それに夢中になるあまり、研究の中身への注意がおろそかになったことはないだろうか」と疑問を投げかけている。

報告書の最後の「まとめ」には、次のような言葉が記されていた。

「STAP問題は科学者コミュニティに突き刺さった1本の矢である。それを抜いた後も、傷跡を癒し健康を取り戻すために、科学者コミュニティ全体の対応と努力が求められている」

調査報告書(全文)とスライド資料は、理化学研究所のウェブサイトで公開されている

http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20141226_1/

(弁護士ドットコムニュース)

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