忘年会帰りの「タクシー」に乗る前に「トイレ」に寄っておいたほうが良いワケ

弁護士ドットコムニュース / 2014年12月28日 11時39分

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年の瀬の飲み会は羽目を外しがちだが、うっかりすると大変な目にあう。東京都内のIT企業で働くHさん(28)に不幸が襲いかかったのは、職場の忘年会に参加した「帰り」のことだった。楽しさのあまり終電すぎまで居残ってしまい、タクシーで帰ることになったHさんに悲劇は起きた。

後部座席に乗り込み、行き先を告げ、しばらくボーッとするHさん。暖かい我が家まであと30分くらい・・・。そう気を抜いた瞬間、突如として飲み過ぎによる尿意に襲われた。必死に我慢しようとしたが、あっという間に限界に達し、タクシーを止めるまでもなく、車内で「失禁」してしまったのだ。

このあとHさんは、運転手からこっぴどく怒られたうえ、「クリーニング代を払え!」と要求されたそうだ。こんな場合、クリーニング代を支払うしかないのだろうか。中村憲昭弁護士に聞いた。

●クリーニング代だけで済まない?

「今回の場合、Hさんはクリーニング代を支払う必要があるでしょう。さらに、クリーニングが終わるまで営業車を稼働できなかった分の損害(逸失利益)も、支払わなければならない可能性があります」

中村弁護士はこう述べる。どうしてなのだろうか。

「民法上、過失によって他人に損害を与えたら、それを賠償しなければなりません。

そもそも、お酒をたくさん飲むとおしっこに行きたくなるものです。そして、いつか尿意の限界に達すると予見できるでしょう。それにもかかわらず、Hさんがトイレに行かずにタクシーに乗ったとしたら、過失があると言わざるをえません」

Hさんは支払いを拒否できないのだろうか。

「個人タクシーではなくて、会社のタクシーの場合、被害者は運転手個人ではなく、タクシー会社です。

したがって、運転手からの直接的に請求された場合、『被害者である会社と話をさせてほしい』と述べることは可能です」

しかし結局は、会社から請求されてしまうということか・・・。

「そうですね。さらに時間が経てば経つほど、請求額が大きくなる可能性があります。運転手からの請求がよほど法外なものでない限り、その場での支払いに応じたほうがよいでしょう。

ただし、手書きでもいいので、クリーニング代を支払った、弁償したという領収証をもらいましょう。後日、タクシー会社から二重の支払いを求められたら、目も当てられませんからね」

中村弁護士はこのようにアドバイスしていた。年末年始に飲み会に参加する人も多いだろうが、タクシーで遠くまで帰る場合は、乗車前にトイレに寄っておいたほうがよさそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
中村 憲昭(なかむら・のりあき)弁護士
保険会社の代理人として交通事故案件を手掛ける。裁判員裁判をはじめ刑事事件も多数。そのほか、離婚・相続、労働事件、医療関連訴訟なども積極的に扱う。
事務所名:中村憲昭法律事務所
事務所URL:http://www.nakanorilawoffice.com/

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