「HIV感染」を隠して性交渉 相手が感染したら「犯罪」か?

弁護士ドットコムニュース / 2013年6月20日 15時2分

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中華圏の情報を伝えるニュースサイト「新華経済」に掲載された記事によると、台湾の首都・台北に住む同性愛の男性が、自らのエイズウイルス(HIV)感染を知りながら、100人以上の男性と性的関係をもっていたことがわかったという。そして、そのうちの50人がHIVに感染していることが判明したというのだ。

HIVの感染については、弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」にも、交際してい女性がHIV感染者だったことが別れたあとに分かったという男性からの相談が寄せられている。「こういうことは性行為をする前に言わなければならないんじゃないんでしょうか?」という相談者の男性は嘆いている。

このようにHIVに感染していることを隠して性交渉をして、相手にHIVをうつしてしまった場合、なんらかの犯罪になったりはしないのだろうか。広瀬めぐみ弁護士に話を聞いた。

●故意に「うつしてやろう」と考えていた場合は「傷害罪」にあたる

「加害者が、自らHIVに感染していることを知っており、故意に『うつしてやろう』と考えていたのであれば、傷害罪にあたるといえます。被害者がHIV感染から発病し、死に至った場合には、傷害致死罪の適用もあり得ます」

このように、故意にHIVを感染させた場合には「傷害罪」になるというのだ。では、故意ではなかった場合はどうなのだろう。

「加害者がHIV感染を知らなかった場合、過失致傷罪になるかどうかは、加害者がHIV感染していることを知りうべき立場にあったかどうかにかかっています。何かの検査でHIV感染の疑いが濃厚と判断されたのにも関わらず、精密検査を受けずに感染発見が遅れたなどの場合は、過失が認められると思います」

●「感染させるつもりがなかった」場合でも、過失致傷罪に問われる可能性あり

では、自らがHIV感染していることは知っていたが、相手に感染させるつもりはなかったという場合はどうなのか。

「自分がHIV感染していることを知りつつ、感染を防ぐ万全の対策をして性交渉したつもりだったのに、結果として感染してしまった場合は、やはり過失が問われることになるでしょう」

このように広瀬弁護士は、過失致傷罪の可能性を指摘する。そのうえで、HIV感染の対策の必要性について、次のように述べている。

「最近ではあまり話題になることがないHIV感染問題ですが、感染者は減ってはおらず、むしろ増加しています。大人の対策はもちろんですが、知識のない子ども達やセックスワークに従事させられる外国人労働者などの命・健康を守る必要があると思います」

(弁護士ドットコム トピックス編集部)

【取材協力弁護士】
広瀬 めぐみ(ひろせ・めぐみ)弁護士
家事調停官4年勤務の経験から家事事件に精通し、家事事件手続等につき弁護士会等で講師多数。専門家としての知識・見識と共に、依頼者から安心してお任せ頂ける優しさを心がけている。一般民事事件・刑事も扱う。

事務所名:広瀬めぐみ法律事務所
事務所URL:http://www.hirose-law.jp

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