他人に貸したアカウントが「ネット詐欺」に使われた アカウントを「貸した」側の責任

弁護士ドットコムニュース / 2013年6月20日 14時35分

写真

関連画像

他人からIDとパスワードを借り、そのアカウントを使ってネットオークションで「架空出品」を行ない、落札者から金銭をだまし取ったとして、神奈川県のアルバイトの男(18)が4月15日、詐欺容疑で逮捕された。各社報道によると、男は、オークションに「皇太子殿下御成婚記念5万円金貨7枚」を出品したと偽って参加し、落札した名古屋市の貴金属買い取り業の男性から40万円をだまし取ったという。

福岡県警の調べによると、男は昨年6月、ネットの掲示板を通じて同県早良区の男性からIDとパスワードを取得し、それを利用して「架空出品」を行なった疑いが持たれている。つまり、アカウントを貸した男性は結果的に、ネットオークション詐欺の片棒をかつがされた格好だ。

このようなケースでは、「アカウントを貸した側」にも何らかの法的責任が生じないのだろうか。他人にネットサービスのアカウントを貸して、それが犯罪に使われた場合、アカウントの所有者の責任はどうなるのか。刑事事件に詳しい萩原猛弁護士に聞いた。

●アカウントを貸した人が詐欺に使われることを知っていたら詐欺の「共犯」

ネットオークションの「架空出品」は詐欺罪にあたる。萩原弁護士によると、その理由は「現実には存在しない架空の商品を受け取れると落札者を騙して、代金を支払わせているから」だ。「これは刑法246条の詐欺罪の規定にある『人を欺いて財物を交付させた』行為に該当し、刑法は10年以下の懲役と定めています」

では、詐欺を行った者が、他人から借りたアカウントを利用していた場合、そのアカウントの所有者はどんな責任を負う?

萩原弁護士は「そのアカウントが詐欺行為に利用されることについて、アカウントを貸した側が知っていた場合には、詐欺罪の共犯に問われます」とする。この共犯には「共同正犯」と「従犯」の2パターンがある。

「(1)貸した側が、架空商品を出品した人と積極的に意を通じ、利益を得ていたような場合は、二人ともが詐欺罪の共同正犯(刑法60条)となります。

また、(2)積極的に意を通じていたとまでは言えないような場合でも、架空商品出品者の詐欺行為を幇助したと認定され、貸与者は詐欺罪の従犯(刑法62条)とされる余地があります」

以上は「刑事事件」としての話だが、刑事で共犯とされたような場合、被害者から「民事事件」で訴えられれば「被害者に対し、不法行為に基づく損害賠償をしなければなりません(民法709条、719条)」と萩原弁護士は言う。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
日本最大級の弁護士/法律ポータルサイト。23万件の相談実績。無料法律相談・弁護士ランキング・口コミ弁護士検索でお悩み解決。他にも弁護士費用の見積比較・法律Q&Aなどの豊富なサービスとコンテンツで「インターネットを通じて法律をもっと身近に、もっと便利に。」

トピックスRSS

ランキング