有料写真の無断使用「無料サイトで見つけた」主張を認めず――「画期的判決」なのか?

弁護士ドットコムニュース / 2015年9月4日 15時10分

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企業のホームページや広告などに使う写真素材を販売する「アマナイメージズ」(東京)が8月に、「クリエイティブ業務に関わる皆さまへ」と題して公表したプレスリリースが、ネットで注目を集めた。アマナ社は、自社が有料販売していた写真が無断使用されたとして、損害賠償を求める裁判を東京地裁で起こし、勝訴した。そして、その判決がネット社会における「画期的判決」だと発表したのだ。

●無料サイトで写真を入手しても「アウト」になりうる?

判決のどの部分が画期的なのか。アマナ社によれば、これまでは有料の写真素材の無断使用が発覚しても、相手が「他のサイトから入手した」と主張して損害賠償に応じないことが多かった。しかし今回の判決では、「相手が他のサイトから入手していない」ということを証明しなくても、権利者に無断で写真を使用したことを立証することで、著作権侵害等による損害賠償が認められたという。

つまり、無料で写真素材を提供しているサイトの画像を利用したところ、実はその画像が他のサイトで有料販売されているものだった場合、「有料写真だとは知らなかった」と言っても、権利者から損害賠償を請求されるおそれがあるということだ。ネット上では、「無料素材に(有料写真が)紛れてる危険もあるのか。怖いな」「中小企業のweb担当程度じゃ判断付かないことも多い」と判決の影響を不安視する声も上がった。

ただ、現実には、無料の写真素材が権利的に問題ないかどうかを完全にチェックすることは難しい。無料素材だと信じて使用した人がすべて、今回のようなケースで「アウト」とされてしまうのは、いきすぎなような気がする。はたして、今回の判決をどうとらえればいいのか。

著作権の問題にくわしい冨宅恵弁護士は「今回の判決が、広く一般の方に適用されることはないだろう」と指摘する。なぜ、そのように言えるのか。この判決は本当に「画期的」なのか。冨宅弁護士に聞いた。

●写真を使用した従業員は「ホームページ制作」の経験あり

「著作権を侵害した場合の損害賠償請求は、交通事故や医療過誤による損害賠償請求の場合と同様に、民法709条の不法行為の規定に基づいて行うことになります。

そして、民法に基づいて損害賠償請求を行う場合には、故意あるいは過失によって、他人の権利や法律上保護される利益を侵害した場合に限られます」

冨宅弁護士はこのように述べる。今回の裁判のポイントは、なんだったのだろうか。

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