外れ馬券は「必要経費」か? 巨額「競馬脱税事件」の判決の行方は?

弁護士ドットコムニュース / 2013年5月22日 19時13分

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「競馬で儲けた28億8000万円の一時所得を申告しなかった」——。巨額の「競馬脱税事件」として注目を浴びている裁判の判決が5月23日、大阪地裁で下される。週末には、競馬の祭典・日本ダービーが予定されているが、競馬ファンはこちらの結果も気になるはずだ。

報道によると、被告人の男性(39)は100万円を元手に、当たり馬券の払戻金を次々につぎ込む形で馬券を購入。自作の予想システムを駆使し、2009年までの3年間で合計約28億7000万円分の馬券を買い、トータルで約30億1000万円の払い戻しを得た。つまり、差し引きして約1億4000万円の「黒字」となった。

単純に考えると、この黒字分の約1億4000万円が「所得」であり、税金がかかるとしたら、この部分だと思うだろう。ところが、男性が確定申告しなかったために所得税法違反で起訴された際に、検察が「所得」と主張したのは、なんと28億8000万円という途方もない金額だった。

なぜかといえば、検察は「外れ馬券の購入費」を無視して、「当たり馬券の購入費」のみを「必要経費」と評価しているからだ。検察は、約30億1000万円の「払戻金」から、約1億3000万円の「当たり馬券購入費」を引いた28億8000万円を「所得」と主張し、男性が約5億7000万円を脱税したと言っている。つまり男性は「儲けた金額」をはるかに上回る税金を納めろと要求されているのだ。

競馬ファンからすれば、「外れ馬券の購入費」も含めてコストと考えるのが常識であり、「検察官は競馬をやったことがないんだろう」「もし検察の主張が通るようなら、馬券を買うのがアホらしくなる」といった声も聞かれる。裁判所がどんな判決を出すか注目されるが、裁判のポイントはどこにあるのか、競馬に詳しい奥山倫行弁護士に聞いた。

●馬券購入費は「必要経費」にあたるのか?

今回の事件で、最大の争点となっているのは、外れ馬券の購入費が「必要経費」として認められるかどうか、だ。その点について、奥山弁護士は次のように説明する。

「所得税法37条1項により、被告人の男性の馬券購入費が『必要経費』として認められるためには、次の2つのどちらかに該当しなければならないとされています。

(1)売上原価など、総収入金額を得るために直接要した費用

(2)販売費や一般管理費など、所得を生ずべき業務についての費用」

では、今回の事件の場合は、どうなのだろうか。

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