外れ馬券は「必要経費」か? 巨額「競馬脱税事件」の判決の行方は?

弁護士ドットコムニュース / 2013年5月22日 19時13分

奥山弁護士はこのように述べ、「男性の所得が『何所得』に該当すると判断されるのかも気になるところです」と話している。

●「結論の座り」や「担税力」の観点から疑問がある

では、この競馬脱税事件、どのような判決が出ることが予想されるだろうか。

「これまで見てきたように、解釈によって、被告人の男性に有利な判断がでる余地がないわけではありません。しかし、法律を淡々と解釈していくと、有罪判決が出る可能性は高いように思われます」

このように奥山弁護士は語るが、その一方で、「有罪判決という結論に至った場合は、いかにも『座り』の悪い結論になってしまうことは間違いありません」と指摘する。

「誰に聞いたって、自分が稼いだ分の5倍もの税金を払えと言われるのは、明らかに納得できないと感じるのではないでしょうか。このような結論になるのであれば、多くの競馬ファンは、怖くて競馬を楽しめなくなるのではないかと思います。

実際に受け持つことができない額の税金の負担を強いるのは、租税制度の根底にある『担税力』(税金を負担する能力)の観点からも疑問があります。仮に、検察の主張どおりの判決が出るのであれば、今回の事件は、租税制度の根幹にかかわる重大な欠陥を露呈することになると思います」

法律論としては正しいが、常識感覚からすれば、どこかおかしい。そんな判決が出るのかどうか。それとも、裁判所が常識を働かせて、競馬ファンが納得できるような結論を示すのか。大阪地裁の判決が注目される。

(弁護士ドットコム トピックス編集部)

【取材協力弁護士】
奥山 倫行(おくやま・のりゆき)弁護士
慶應義塾大学大学院卒業。司法修習第55期。札幌弁護士会所属。TMI総合法律事務所退所後、2007年4月に札幌にてアンビシャス総合法律事務所を開設し現在に至る。
事務所名:アンビシャス総合法律事務所
事務所URL:http://ambitious.gr.jp/index.html

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