携帯電話「実質0円」販売、見直しの方向へーー法的にはどんな問題があったのか?

弁護士ドットコムニュース / 2015年12月26日 9時57分

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携帯電話料金の引き下げ策を議論してきた総務省の有識者会議が12月中旬、報告書をまとめた。そのなかで、2年縛りの利用者などに端末補助金を出して「実質0円」にする販売手法について、「高額な端末購入補助は著しく不公正であり、MVNO(格安スマホなど)の参入を阻害するおそれがある」と指摘し、見直しを促した。

端末を「実質0円」で提供する原資は、すでに加入している利用者の通信料金であり、不公平な仕組みだと批判されてきた。さらに、携帯電話会社を乗り換えると、高額なキャッシュバックをもらえたり、「実質0円」よりもさらに安い「一括0円」(端末補助金をもらえるだけでなく、端末自体の価格も0円になる)になるケースもあったりして、問題になっていた。

スマホの端末は、一台10万円を超える高価なものもある。にもかかわらず、携帯端末を「実質0円」で提供することは、法的に問題ないのだろうか。独占禁止法や不正競争防止法に詳しい籔内俊輔弁護士に見解を聞いた。

●独占禁止法の観点から見た問題点

「『実質0円』で携帯端末を提供する仕組みは、端末代金を2年(24回)程度に分割して支払うことにして、毎月の通信料金から分割払い額と同額を割り引くことで、ユーザーは実質的に端末代金を負担していないとアピールする販売方法です。

このような販売方法は、頻繁に端末を買い替えるユーザーに有利で、長期間使用しているユーザーと不公平が生じるといった指摘がなされていましたが、独占禁止法の観点からは、別の問題点を指摘できます」

籔内弁護士はこのように説明する。どのような問題点があるのだろうか。

「商品やサービスを原価割れの安い価格で継続的に販売する行為等は、それにより競争相手の顧客を奪って市場から不当に追い出すことにつながる懸念があるため、独占禁止法上『不当廉売』として禁止されています。しかし、『実質0円』は原価割れであるとは言いにくい事情もありました。

すなわち、端末を購入したユーザーは、携帯電話会社との間で通信サービス契約を結んで、通信料金も支払っています。また、この通信サービス契約には2年程度の解約制限が付されているのが通常です。ユーザーは、2年間通信料金を支払うことになり、端末と2年程度の通信サービスを、セットで購入している(セット販売)とみることができます。

セット販売を行うことが通常となっている商品やサービスについては、セット販売の対象を一体としてみて、原価割れの対価での販売となっているかをみて、独占禁止法上問題となるかどうかを検討すべきと考えられています。

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