「悪魔ちゃん事件」から20年――子どもの「命名権」をどう考えるべきか?

弁護士ドットコムニュース / 2013年5月25日 16時35分

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子どもに悪魔の名前をつけるのは認めない――ニュージーランドの出生届受付機関が5月1日、これまでに命名申請を却下したリストをCNN(国際ニュース放送局)に伝えたが、そのなかに悪魔の名前として知られる「ルシファー」があった。自分の子どもに悪魔の名前をつけようとした親は過去12年で6組いたという。ほかにも「キリスト」や「メシア(救世主)」という名前をつけることは認められないのだそうだ。

悪魔の名前といえば、今から20年前の1993年、日本でも同様の動きがあった。その名も「悪魔」という名前を我が子につけようとした親が、東京都の昭島市役所に出生届けを出したが、市が戸籍に記載することを拒んだ。そこで、親は「悪魔」という名前を戸籍に載せるべきだと、家庭裁判所に審判を申し立てたのだ。

結局、親が途中で審判を取り下げ、別の名前に変えることに同意したが、事件は大きく報道され、世間の注目を集めた。いわゆる「キラキラネーム」にも通じる要素を持った事件だったといえるが、子どもの命名権は日本でどう考えられているのだろうか。寄井真二郎弁護士に聞いた。

●どんな名前を子につけるかは、原則として「親の自由」

「最近読み方のわかりにくい名前が増えていますが、申請の際の制限については、戸籍法50条1項で、『子の名には、常用平易な文字を用いなければならない』と規定されています。具体的には、常用漢字表に掲げる漢字や平仮名・片仮名などが使用できることになっています(戸籍法施行規則60条)。つまり、名前に用いられる字に一定の制限があるものの、親の命名は、原則として自由に行使できます」

このように寄井弁護士は説明する。つまり、使える文字に制限はあるものの、どんな名前を子どもにつけるかは、親にまかされているということだ。ただ、例外的に、親の命名が認められない場合もある。

「命名は個人の人格を表したものであり、子の生涯において、他の人格と分別して特定・識別させるという機能を果たします。その点で、子の養育・監護と結びついた親権の域を超えるものといえます。そのため、『悪魔』という命名について、裁判所は命名権の濫用として例外的に否定しました。

悪魔ちゃん事件以外には、命名権の濫用を認めた事例はないようですが、『難解、卑猥、使用の著しい不便、特定(識別)の困難等の名は命名することができない』とする古い裁判例があります」

●極端な場合でない限り、役所からストップがかかることはない

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