ネット動画の「生配信」 法律的に注意すべき3つのこと

弁護士ドットコムニュース / 2013年6月20日 12時2分

写真

関連画像

ニコニコ動画やUstreamなど、誰でも気軽に動画をネット配信できるプラットフォームが広がっている。なかでも撮影した動画をリアルタイムで中継する「生配信」は、小規模なスタイルなら、スマートフォンがあればいつでもできるという手軽さが受けている。

だが、それだけにトラブルも少なくない。先日も東京ディズニーランド内で、覆面マスク姿で生配信をしていた男性が警備員に呼び止められ、謝罪するという"事件"があった。本人の意図はうかがい知れないが、自らを格好の「さらしもの」としてネットの視聴者に提供したかっこうだ。

過去には、お笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが、東京・原宿の路上で生配信中に警察官と口論になり、大きく問題にされたこともある。今後、生配信はより身近な存在になっていくだろうが、公の場所での生中継は、無関係な人をも配信に巻き込むことになる。無用なトラブルを避けるため、気をつけるべき点を三平聡史弁護士に聞いた。

●撮影場所・肖像権・著作権の3点に注意が必要

三平弁護士によると、動画を配信サイトに投稿(アップロード)する時に、注意すべき点(法律・権利)は主に次の3つだという。

(1)その場所が『撮影OK』かどうか

(2)他人の『肖像権・プライバシー権』は大丈夫か

(3)著作権に問題はないか

それぞれ解説してもらおう。

(1)場所

「場所によっては、動画や写真の撮影自体が禁止されます。『施設管理権』(最判平成7年3月7日)の一環として『撮影禁止』となっているお店、建物もあります。よく確認しましょう」

(2)肖像権・プライバシー権

「最高裁の判例(最判平成17年11月10日)では、以下のような基準が示されています。

(例1)人物が特定されない程度→肖像権の侵害には当たらない

(例2)人物が特定されるが一瞬映る程度→『撮影の目的』と『特定の明確性』のバランス次第

(例3)大事故の現場全体→侵害なし

(例4)大事故の負傷した被害者をズームで撮影→侵害あり

このような基準が示されていますが、『判断の不確定性』はどうしても残ってしまいます」

(3)著作権

「撮影しているのが公共スペースであれば、基本的に著作権法違反となることはほとんどありません。また、テーマパーク内のキャラクターやスポーツの試合、銅像・モニュメントなどは、著作権法の対象とならないか除外規定があり、原則的に著作権侵害とはなりません」

では、例えば一般人がJリーグの試合模様を配信できるのだろうか?

「ダメです。(3)著作権侵害には当たりませんが、Jリーグの試合会場は(1)撮影した動画の配信が禁止されています。気軽に配信できるのがネット生配信の良いところですが、だからこそ、こういった『法的注意点』をしっかり押さえておきたいものです」

(弁護士ドットコム トピックス編集部)

【取材協力弁護士】
三平 聡史(みひら・さとし)弁護士
早稲田大学理工学部出身の理系弁護士。
ホームページ・ブログで毎日発信しているQ&Aは3000個を超える。
サイエンス分野と同じ情報活用を取り入れた。
大量の法的知識・経験・情報を整理・集約し,法律問題の有利な解決を実現する。
事務所名:弁護士法人みずほ中央法律事務所
事務所URL:http://www.mc-law.jp/

日本最大級の弁護士/法律ポータルサイト。23万件の相談実績。無料法律相談・弁護士ランキング・口コミ弁護士検索でお悩み解決。他にも弁護士費用の見積比較・法律Q&Aなどの豊富なサービスとコンテンツで「インターネットを通じて法律をもっと身近に、もっと便利に。」

トピックスRSS

ランキング