批判あいついだ「女性手帳」 男女共同参画法にも違反する?

弁護士ドットコムニュース / 2013年6月20日 11時22分

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女性に向けて30代半ばまでの妊娠・出産を推奨する「女性手帳」を配布しようという政府の計画が、見送られる見通しとなった。内閣府の有識者会議「少子化危機突破タスクフォース」が手帳の導入を提言しようとしていたが、批判があいついだため、5月28日に開かれた会合では、女性手帳ではなく、専門的な研究班を設置する方針を打ち出したという。

女性手帳は、妊娠・出産に関する医学的知識を掲載し、若い女性を啓発することを目的とした手帳で、地方自治体を通じて配ることを想定していた。しかし、「早期出産が良いという価値観を押し付けるな」「なぜ女性だけに手帳を配るのか」と、批判・反発する声が女性たちからあがった。そのような批判を受け、政府の有識者会議は手帳配布の提言を見送らざるをえなくなったのだ。

男女共同参画基本法4条では、社会における制度または慣行が「男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするように配慮されなければならない」と定めている。その点から、女性手帳の導入は男女共同参画基本法に違反しているのではないか、という指摘もあった。はたして、そうなのだろうか。養父知美弁護士に聞いた。

●「性別による固定的な役割分担」の押し付けに反発した女性たち

5月5日に掲載された産経新聞の記事によると、「女性手帳では、30歳半ばまでの妊娠・出産を推奨し、結婚や出産を人生設計の中に組み込む重要性を指摘する」ということだった。この点について、養父弁護士は次のように指摘する。

「女性手帳に対して、女性たちの批判や反発が噴出したのは、そこに、『男は仕事、女は家庭』『家事、育児は女の役目』といった『性別による固定的な役割分担』の押し付けを強く感じたからです」

このように述べたうえで、女性たちの意識について次のように説明する。

「女性たちは、有形、無形の、ときには善意にもとづく『性別による固定的な役割分担』の押し付けこそが、これと異なる選択をする男性や女性に苦痛や困難を強い、男女共同参画社会形成の最大の阻害要因となっていることを知っています。

そのような固定観念の押し付けが、結婚や出産をしない女性を『負け犬』と呼んだり、育児や家事をする『主夫』を蔑んだりすることにつながっています。そして、男性から家族と過ごす時間を奪い、女性から職業人としての役割やプライドを奪っている。そういうことを、女性は知っているのです」

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