実燃費はカタログ燃費の「3割落ち」車の購入をキャンセルできるか?

弁護士ドットコムニュース / 2013年5月30日 12時22分

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「実燃費はカタログ燃費より3割落ちます」「(カタログ燃費通りにならなくても)おかしいとは言えません」。自動車メーカーなどでつくる日本自動車工業会がこんな内容のパンフレットを発行し、話題になった。

「気になる乗用車の燃費」と題するこのパンフレットは、カタログに表示された燃費について、「国の決めた試験法に従い、国の審査で決めている」と主張。具体的には、(1)平坦でまっすぐな道を(2)渋滞のない状況で(3)エアコンやライトを使わずに走行する、といった試験方法で計測されたものなのだという。

しかし、実燃費がカタログ燃費よりも平均で3割以上も低いとわかっているのであれば、もう少し実燃費に近い表記を心がけるべきではないのか。車の広告では「リッター●キロ」「低燃費」といったキャッチコピーが乱れ飛んでいるが、もしカタログの数値と実燃費が想像以上に違っていた場合、車を購入した客は契約をキャンセルできるのだろうか。消費者問題に詳しい西田広一弁護士に話を聞いた。

●カタログ値と実燃費の違いは「常識」といえる

「購入契約を結び、実際に乗った後だと、原則としてキャンセル料を支払う『約定解除』しかできません。契約にキャンセルについての約定がない場合、販売店が合意してくれなければ、キャンセル自体が不可能です」

――契約を無かったことにはできないのか?

「実燃費がカタログ燃費よりも悪いことは、ある程度、常識といえます。カタログ燃費の計測が正確であれば、実燃費がそれを下回っても、直ちに『欠陥』とはなりません。つまり、そのことを理由に契約解除はできません。

ただ、実燃費とカタログ燃費の差は通常3割程度と言われていますから、それを大幅に超える、例えば5割程度悪い場合、その車は『欠陥あり』と判断される可能性があります。もしそうなれば、販売側の『債務履行が不完全』とされるため、修理で改善されなければ、交換や契約解除ができるでしょう。

また、販売店がカタログ燃費が実燃費に近いなど、虚偽の説明をした場合、消費者契約法4条による取消ができます。ただ、どちらも通常ではない、かなり例外的なケースです」

結局、カタログ燃費は「そういうもの」と捉えるしかないようだ。西田弁護士も「実燃費が気になる人は、事前に販売店に十分に確認してから、購入を決める必要があるでしょう」とアドバイスしていた。

(弁護士ドットコム トピックス編集部)

【取材協力弁護士】
西田 広一(にしだ・ひろいち)弁護士
1956年、石川県小松市生まれ。95年に弁護士登録(大阪弁護士会)。大阪を拠点に活動。得意案件は消費者問題や多重債務者問題など。大阪弁護士会消費者保護委員会委員。関西学院大学非常勤講師。最近の興味関心は、読書(主にビジネス書)、クラウドサービスなど。
事務所名:弁護士法人西田広一法律事務所
事務所URL:http://law-nishida.jp

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