各地に出没、誰もいない迷惑な花見の「場所取りシート」…撤去しても問題ない?

弁護士ドットコムニュース / 2016年4月1日 10時51分

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横浜市の大手プラント建設企業が、花見の場所取りのため、公園のスペースの大半をブルーシートで覆っていたことが話題になった。報道によると、ネットで批判の声が多かったことから、シートはすでに撤去されている。

ツイッターに投稿された画像を見ると、シートには社名とともに、3月28日から4月1日までの利用時間が記されていた。会社の利用時間以外は「(シートを)ご自由にお使いください」とあり、かえって「何様だよ」「アンタの敷地なのかよ」とネット上で批判を集めていた。

シートによる場所取りは広く行われているが、誰もいない迷惑な場所取りシートは法的に有効なのだろうか。撤去しても問題ないのか。大久保誠弁護士に聞いた。

●「事実的支配内にあるとまでは言えない」

「このような場所取りは、『この場所を自分が占拠しているので、他の人がここを利用することはできない』と考えてやっているのでしょう。

こうした考えを法的には『占有訴権』と呼びます。『ある場所を占有している人が、その占有を妨害されたとき、その排除を請求できる』というものです」

法的な権利ということは、場所取りをした人は他の人に「ここは私の場所だ!」と言えるのだろうか。

「場所取りをしたからといって、ただちに、そういえるわけではありません。そもそも占有権が成立しているか判断する必要があります。占有権が成立するには、『自己のためにする意思をもって、物を所持すること』が必要です(民法180条)。

ここでいう『所持』とは、物に対する事実上の支配をいい、必ずしも物理的に手で持っている必要はありません。しかし、社会観念上、物がその人の事実的支配内にあると認められる必要があります。

たとえば、店舗経営者が店舗前面の市道を清掃したり、看板・空き瓶・空き箱を置いているからといって、同市道について排他的な占有権を取得できるわけではありません(東京地裁判決昭和36年3月24日)。ちなみに『物』といっていますが、不動産もふくまれます」

今回の事例のような、ブルーシートは『所持』といえるだろうか。

「ブルーシートで場所取りしたからといって、その区画が『その人の事実的支配内にある』とまでは言えないでしょう。ですから、占有権は成立しないと考えられます。『ここは自分だけが利用できるからよけてくれ』なんて言えません」

では、ブルーシートを勝手に撤去していいのだろうか。

「シートを破ったり、ゴミ箱に捨てたりすると問題になるでしょうが、畳んでその場に置いておくのであれば、認められる可能性はあると思います。ただし、現実的にはトラブルの元になりかねません。一番いい方法は公園の権利者である管理者にお願いすることでしょう」

大久保弁護士はこのように述べていた。つまり、法的にはブルーシートを置いただけでは、場所取りは「無効」ということだ。マナーを守って楽しい花見の席にしたいものだ。

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
大久保 誠(おおくぼ・まこと)弁護士
ホームページのトップページに写真を掲載しているように、野球が趣味です。

事務所名:大久保法律事務所
事務所URL:http://www.ookubolaw.com/

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