千葉・市川の「保育園」が周辺住民の反対で開園断念 「子どもの声」は騒音なのか?

弁護士ドットコムニュース / 2016年4月24日 10時25分

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千葉県市川市でこの春に開園予定だった私立保育園が、近隣住民から「子どもの声でうるさくなる」などと反対を受けて開園を断念したことが4月中旬、大きな注目を集めた。

保育園の予定地は、市川市の中心部に近い住宅街。千葉県松戸市の社会福祉法人が木造2階建ての園舎を建て、4月1日から定員108人(0〜5歳児)で開園する計画だった。ところが、昨年8月、開園を伝える看板を立てたところ、住民の反対運動がはじまった。

保育園は昨年10月に募集を開始したが、住民から「保育園が面する道路は狭いので危険だ」「子どもの声が騒音になる」などの声があがり、園舎建設の目処が立たないことから、12月に開園の延期を決定。今年3月には、開園することを断念した。

●保育園の建設難航があいつぐ

保育園の建設をめぐっては、騒音を理由に難航するケースがあいついでいる。

報道によると、神戸市の70代男性が2014年、「子どもの声がうるさい」として、保育園を運営する法人を相手取り、防音設備の設置や慰謝料100万円の支払いを求める裁判を起こした。さいたま市でも2013年、保育園の建設計画が住民の反対を受けて撤回された。

今回の「開園断念」のニュースは、保育園問題がクローズアップされる中で、大きな注目を集めた。そもそも「子どもの声」は騒音なのだろうか。法的には、どう扱われるのか。騒音問題にくわしい山之内桂弁護士に聞いた。

●子どもの声も騒音にあたる

「法規制の観点からいえば、『子どもの声』といえども、騒音にあたります」

山之内弁護士はこう切り出した。どんなルールになっているのだろうか。

「騒音は、規制の緩い順に、(1)生活騒音(2)工場・事業場等の一般騒音(3)航空機・自動車・特殊機械等の特定騒音、の3つに区分できます。

子どもの声は、一般的な生活環境内では1番目の『生活騒音』、保育園内では2番目の『事業場騒音』にあたります。

各地の条例では、生活騒音について、騒音防止の『努力義務』のみを規定することが多いです。一方、事業場騒音については、一定の『規制基準』を定め、条例に違反した場合、行政指導や刑罰の対象とすることが多いです」

つまり、保育園の「子どもの声」も騒音として、規制の対象となりうるということだ。そうなると、保育園の建設も「騒音」の観点から制限されるということだろうか。

「いいえ、そうではありません。保育園は本来、現行都市計画法上の用途地域のうち、工業・準工業地域以外であれば、どこにでも建てることができます。いわゆる『一戸建て中心の閑静な住宅地』のなかでも、合法的に建てることが可能です」

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