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千葉・市川の「保育園」が周辺住民の反対で開園断念 「子どもの声」は騒音なのか?

弁護士ドットコムニュース / 2016年4月24日 10時25分

保育園の建築自体は、騒音とは別に、建物に関するルールで規制されるということだ。子どもの声が騒音にあたる可能性があるとしても、保育園の建物そのものが騒音を発生させるわけではないからだ。では、住民が反対しても、法的には、保育園は建築できてしまうのか。

「建築前の話し合い等がこじれた場合、住民側が裁判などの紛争調整機関を利用して、建築自体にストップをかけることは大変困難なものと予想されます。

また、運営が始まったあとも、騒音の迷惑度合いは、実際にそれに触れた人に特有のものです。裁判に持ち込んだとしても、客観的な立証が難しく、受忍限度(社会生活上我慢すべき限度)の壁を破って、住民側が勝訴や勝訴的和解を得ることはかなり困難であるのが実情です」

●「中間的な解決を図るのが望ましい」

保育園の騒音問題について、どのように考えるべきだろうか。

「二通りの考え方がありえます。

一つは、規制を緩和して、保育園を立地しやすくして、近隣住民に迷惑を受忍(≒我慢)してもらうことです。保育園などでの子ども(6歳未満)の声を規制から除外した東京都の条例や、乳幼児・児童用施設からの騒音を理由とする損害賠償請求を禁止したドイツの連邦法がその一例です。

もう一つは、地域住民の良好な住環境を重視し、保育園に対して、騒音防止低減措置や、駐車・駐輪場の設置義務を課して、さらに規制値を超える騒音がおよぶ可能性のある一定範囲の住民の同意を立地条件とすることです。

二つの利益が衝突するこの問題にあっては、それらの中間的な解決を図るのが望ましいと思います。保育園の場合、どちらかといえば、一人ひとりの利益がある程度制限されることになっても、立地しやすくする環境整備をしたほうがよいと思います。

ただし、土地の公用収用の場合に財産補償がされるのと同じように、利益侵害の程度に応じた何らかの補償措置が必要になるケースはありうるでしょう」

山之内弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
山之内 桂(やまのうち・かつら)弁護士
1969年生まれ 宮崎県出身 早稲田大学法学部卒、大阪弁護士会 公害対策・環境保全委員会 委員、公益通報者 支援委員会 副委員長、民事介入暴力および弁護士業務妨害対策委員会 委員、公益財団法人交通事故紛争処理センター 嘱託、高槻市都市計画審議会 委員、大阪府都市公園指定管理者評価委員会 委員、環境法律家連盟 会員、医療事故情報センター 会員
事務所名:梅新東法律事務所
事務所URL:https://www.uhl.jp

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