「公益財団法人」の資金「2.7億円」が回収不能、運用を委託された会社の責任は?

弁護士ドットコムニュース / 2016年7月11日 10時45分

写真

関連画像

公益財団法人「日本サイクリング協会」(東京都品川区)が、コンサルティング会社に資産運用を委託した約3億円のうち、約2億7000万円が回収できなくなっていることがわかったと読売新聞(6月26日付)で報じられた。協会は、記事の内容について「概ね事実」とウェブサイト上で発表した。

読売新聞などによると、同協会は2011年、コンサルティング会社に資産運用を相談した。その際に「シンガポールの銀行の割引円建て債を約2億6000万円で購入すれば、3年後に3億円になる。その他、約4000万円の利息も入る」などの説明を受けて、資産運用の契約を結び、約2億6000万円を会社の口座に入金した。

2014年には、資金が3億円になったとして、協会はこの3億円の運用をあらためて契約した。ところが今年、会社から「預かった金は無関係の事業などに投資し、焦げ付かせた」という説明を受けた。協会はこれまでに約3000万円を返却させたが、残りの約2億7000万円は回収できていないという。

一般的に、運用を委託した資金が焦げ付いた場合、委託された側の返済義務は法的にどうなるのだろうか。また、説明と関係ない事業に投資されていた場合は、どうなるのだろうか。大和弘幸弁護士に聞いた。

●どんな契約を結んでいたか?

「一般的に、資産運用を委託した側とされた側との間で、何らかの『資産運用委託契約』を結ぶことになります。

どのような方針で資産運用するかは、具体的な契約内容に依拠することになります。その内容によっては、運用受託者に広い裁量権をあたえる契約もありうるでしょう」

大和弁護士はこのように切り出した。もし、当初の説明と異なる形で運用された場合はどうなるのだろうか。

「具体的な債券の購入を指定したにもかかわらず、それ以外の事業に投資したということであれば、契約違反となります。そうであれば、委託された側は、民事責任(損害賠償責任)を負うことは免れないように思います。

また、委託された側が契約当初から、その債券を購入するつもりがなく、投資金額をだまし取ったり(詐欺)、預かった資金を自己のために領得していたり(業務上横領)、運用責任者が自己の利益を図ったり、協会に損害を加える目的で契約に違反して委託した側に財産上の損害を与えた(背任)ということであれば、刑事責任が問題となりえます」

●運用資金が焦げ付いた場合、自己責任になる?

そもそも運用資金を焦げ付かせた場合、委託した側の責任はどうなるか。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング