人気アーティストが「チケット高額転売」反対の共同声明、ネット転売は犯罪ではない?

弁護士ドットコムニュース / 2016年8月26日 10時4分

過去にネットオークションで転売した人が迷惑防止条例違反で摘発されたケースはいくつかあります。しかし、これらは転売行為そのものではなく、そのチケットを不特定の者へ転売する目的で入手した行為を条例違反と捉えているようです。

●「転売を犯罪として取り締まるには限界がある」

このように「迷惑行為等防止条例」は、転売目的の購入や売却を規制しており、その価格については問題としていません。しかし、不当に高価な契約をした場合には、「物価統制令」違反になる可能性があります。この場合は売った方も買った方も対象になります。

もともと、「物価統制令」は戦後の混乱期にヤミ米などを規制する目的で制定されたものですが、現在でも改正を重ねて適用されています。過去に京都府において物価統制令によるダフ屋行為の摘発例があるようですが、京都府においては平成22年まで条例でダフ行為を規制していなかったという事情があります。

ネットオークションの広がりで、一般人が容易にチケットを転売できるようになりました。その一方で、コンサートチケットの転売を「犯罪」として取り締まるには限界があるため、興業の主催者側で転売されたチケットでの入場を規制するなど、自助努力によらざるを得ない部分があります。

今回、意見広告が出された背景には、このような限界があるためと思われます。

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
伊藤 諭(いとう・さとし)弁護士
1976年生。2002年、弁護士登録。横浜弁護士会所属(川崎支部)。中小企業に関する法律相談、交通事故、倒産事件、離婚・相続等の家事事件、高齢者の財産管理(成年後見など)、刑事事件などを手がける。趣味はマラソン。

事務所名:市役所通り法律事務所
事務所URL:http://www.s-dori-law.com/

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