世を驚かせた川崎重工「社長解任劇」 ヒラ社員でも社長をクビにできるか?

弁護士ドットコムニュース / 2013年7月25日 17時48分

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川崎重工は6月13日、同社の長谷川聡社長らを解任した。同日開かれた臨時取締役会で、三井造船との経営統合交渉を打ち切ることと併せて決定した。川崎重工は解任の理由について「他の多数の取締役の意向に反した業務執行を強行しようとするなど、取締役会を軽視した行動があった」と説明している。

長谷川元社長は三井造船との経営統合交渉を推進していた人物。取締役会はこの判断に対してNOを突き付けたかっこうだ。「社長」といえば会社の代表として絶大な力を持っているイメージがあるが、今回の解任劇は、その限界をまざまざと見せつけたといえよう。

他の会社でも、「社長の独断をなんとかしたい」と願っている人は、少なからずいるだろう。弁護士ドットコムの法律相談コーナーにも、「社長を解任するにはどうすればよいか」という相談が寄せられている。

では、実際に「社長を解任する」ための法的な手続きには、どのようなものがあるのだろうか。たとえば一般の従業員でも、社長をクビにできる手段があるのだろうか。会社法に詳しい田村ゆかり弁護士に聞いた。

●従業員が社長を「クビ」にするための方法はある

「簡単ではありませんが、従業員が社長(代表取締役)を解任する方法は、ないわけではありません」

どんな方法があるのだろうか。

「次のどちらかです。

(1)従業員が「取締役」となり、「取締役会」で代表取締役の解職を決定する

(2)従業員が会社の株式を取得することで「株主」となり、「株主総会」で取締役の解任を決議する」

より具体的にいうと、どういうことなのだろう。

「まず、(1)について説明します。

取締役会を置く会社では、3名以上の取締役(会社法331条4項)によって取締役会を構成し、取締役の中から代表取締役を選びます(同法362条1項~2項)。

そして取締役会は、代表取締役の解職を決定することができます(同法362条2項)。川崎重工において行われたのはこの手続きです」

なお、この方法で代表取締役を「解職」しても、ただの取締役の身分は残る。さらに取締役を辞めさせるには次の(2)の方法が必要だという。

「(2)ですが、取締役は、株主総会の普通決議(過半数の議決権を有する株主が出席しその過半数で可決)で解任することができます(同法339条1項)。

代表取締役は取締役の中から選任されますので、取締役の身分を失えば自動的に代表取締役でもなくなります」

株主総会の普通決議がうまくいかなかった場合には、何か手段がある?

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