エイベックス社長「時代に合わない労基法」主張に佐々木弁護士「法律のせいにするな」

弁護士ドットコムニュース / 2016年12月28日 8時51分

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エイベックス・グループ・ホールディングス(東京)が労働基準監督署から労働基準法にもとづく是正勧告を受けたことについて、同社の松浦勝人社長が「(労働基準監督署は)今の働き方を無視する様な取り締まりを行っていると言わざるを得ない」などとブログで持論を展開したことが、ネット上で話題になっている。

同社は12月9日、三田労働基準監督署から労働基準法に基づく是正勧告を受けた。同社広報によると、(1)長時間残業をさせている(2)時間外の割増賃金を支払っていない、などの指摘だったという。同社は「是正勧告を受けたことは事実です。真摯に受け止め、社内調査を含め是正に着手しています」とコメントした。

●松浦社長「時代に合わない労基法なんて早く改正してほしい」

一方で、松浦社長は12月22日、今回の是正勧告について「真摯に受け止め対応はしている」としながらも、「労働基準監督署は昔の法律のまま、今の働き方を無視する様な取り締まりを行っていると言わざるを得ない」「時代に合わない労基法なんて早く改正してほしい」などとブログで主張した。

さらに、松浦社長は「それぞれの業界にはそれぞれ特殊な事情がある」「僕らの仕事は自己実現や社会貢献みたいな目標を持って好きで働いている人が多い」「好きで仕事をやっている人に対しての労働時間だけの抑制は絶対に望まない」とつづっている。

このような松浦社長の意見に対して、ネット上では「やりがいの搾取だ」「適切に残業代は払えよ」といった批判も多くあがっている。長時間労働や残業代未払いなど、悪質な企業を選ぶ「ブラック企業大賞」の実行委員の1人で、労働問題にくわしい佐々木亮弁護士に聞いた。

●佐々木弁護士「働きたい人が好きなだけ働くという文化を切り替えるべきだ」

「法律上、休憩時間をのぞいて1日8時間、1週40時間という『労働時間』が制限されています(労働基準法32条)。

一方で、労使が『36協定』を結んで合意すれば、その制限を越えることができます(同36条)。したがって、現行の制度では、やりようによって、従業員の残業時間を青天井にすることができます。つまり、労働時間の制限は事実上ないのです。

だから、『好きで仕事をやっている人に対して労働時間だけの抑制は絶対に望まない』というのは、今の制度でも残念ながら可能なことなのです。

逆にいえば、エイベックス・グループ・ホールディングスはおそらく36協定で、『働きたい人が好きなだけ働く』制度にしていないのでしょう。それは立派なことです。だから、今さら法律のせいにするのはおかしいと思います」

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