大阪市が「ごみ屋敷」対策の新条例制定へ 「強制撤去」も含む内容をどうみるべきか

弁護士ドットコムニュース / 2013年7月19日 13時10分

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住宅の敷地内に大量のごみをため込む「ごみ屋敷」について、大阪市がごみの強制撤去などを可能にする条例制定に向けて動き出している。すでに新条例の概要を固め、市民に向けて提示し、パブリックコメントを7月19日まで募集しているのだ。

大阪市の発表などによると、今年3月時点で77件のごみ屋敷が同市内に存在し、悪臭や害虫などで地域の生活環境が損なわれている。周辺住民からも苦情が出ているが、ごみを撤去するための法的根拠がないため、対処しかねているという。

条例案の骨子では、ごみ屋敷に対して、次のような4段階での対処計画が説明されている。それは、(1)ごみ屋敷の存在を把握したら、(2)各区役所が地域と連携して対策を話し合う「対策会議」をひらき、(3)その後、命令や支援の公平性・客観性を担保する「審査会」を経て、(4)最終的には撤去命令や強制執行などの行政処分も視野にいれた対策を講じるというものだ。

経済的支援も含め、自主的な撤去の支援を中心にすえているとはいえ、最終的には強制撤去もありうるというこの条例案、法律家はどう見ているのだろうか。同様の条例はすでに東京都足立区や富山県立山町などでも制定されており、ごみ屋敷は全国的な問題になっているようだが・・・・。行政事件にくわしい湯川二朗弁護士に聞いた。

●同じモノでも「ごみ」になったり、ならなかったりケースバイケース

「実は、廃棄物処理法は『ごみ屋敷』をどうにもできないのです」。湯川弁護士はこう切り出した。

――なぜ、対処できないのか?

「最初に『ごみ』とは何かという問題から説明します。

周りから見れば『ごみ』でも、まだ使える、売れる、昔の思い出が詰まっているなどと言われると、法律でいう『廃棄物』とは決めつけにくいですね。

記憶に新しいところでは東日本大震災の時、津波で破壊されて運ばれてきた船や家屋について『はたして廃棄物として処理して良いのか』と問題になりました」

――法律や判例には『ごみ』の定義はない?

「廃棄物処理法は、『廃棄物』を《ごみ、粗大ごみ、燃え殻、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物または不要物》と定義していますが、『ごみ』についての明確な定義はありません。

一方、判例や行政実務上の定義では、廃棄物とは《自ら利用し又は他人に有償で譲渡することができないために事業者にとって不要となった物をいい、これに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無および事業者の意思等を総合的に勘案して決する》とされています。

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