古い友人に「借りパク」されたCD 「もう時効でしょ」と言われてしまったら?

弁護士ドットコムニュース / 2013年7月19日 12時27分

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「借りパク」という言葉がある。借りたものをパクること、つまり、人から借りた物を返さずにそのまま自分の物にしてしまうことをさす俗語だ。友人に本やCDを貸したまま、結局、返してもらっていない、という経験は、誰にでもあるのではないだろうか。

ネットのQ&Aサイトをのぞくと、「借りパクされたアーティストのアルバムを取り返したい」という貸し主の怒りの声や、「友人から数年前に借りた文庫本上下巻を今もまだ返していません」という借り主の懺悔の言葉が書き込まれている。なかには貸し主が「返してもらわなくてもいい」と思っている場合もあるだろうが、思い出が詰まっているものや貴重なレア物の本やCDは、そういうわけにいかないだろう。

たとえば、10年前にCDを貸していたことをふと思い出して、友人に「返してよ」と言ったら、「それって、もう時効でしょ?」と言われてしまったとする。たしかに、法律には「時効」という制度があるが、「借りパク」の場合もあてはまるのだろうか。石井龍一弁護士に聞いた。

●時効には、「取得時効」と「消滅時効」の2種類がある

――そもそも時効とはどういう制度か?

「時効には、時間の経過によって権利を取得できる『取得時効』と、時間の経過によって権利がなくなってしまう『消滅時効』の2種類があります。もっとも、自分で買った物に対する『所有権』は、どれだけ時間が経過しても『消滅時効』にかからないとされていますので、CDの『借りパク』では『消滅時効』は問題とならず、借りた側に『取得時効』が成立するかどうかが問題となります」

――どういう場合に『取得時効』が成立するのか?

「通常、『取得時効』は、自分の物として20年間持ち続けることで成立します。『取得時効』の成立により、もとの所有者は所有権を失い、20年間持ち続けていた者が新たに所有権を取得します。

しかし、CDの『借りパク』の場合、あくまでも借りていただけですから、『自分の物として』持ち続けていたとは言えません。そう言えるためには、所有者に対して『このCDは今からは私のものだ!』とはっきり宣言しておく必要がありますが、そんな宣言をされたら所有者としては放っておくことはないでしょう。

ですから、基本的に『借りパク』で『取得時効』が成立することはなく、所有者は、時間が経っていてもCDの返還を請求することができます。

ただ、万一『返せ・返さない』のトラブルがこじれて裁判になった場合、所有者はCDが自分の所有物であることを証明する必要があります。この証明に失敗すると、裁判に負けてしまうおそれがあるので注意が必要です」

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