「あまちゃん」みたいに「おらもウニが獲りてぇ」はNG? 「漁業権」にご注意を

弁護士ドットコムニュース / 2013年7月19日 20時13分

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NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」が人気だ。東北の三陸海岸で海女になった女子高生がひょんなことから地元アイドルになり、成長していくさまを描いた物語は、ロケ地の岩手県久慈市に多数の観光客が訪れるほどのヒットを飛ばしている。

ドラマの中では、海女さんたちが海に潜り、たくさんのウニを取ってくるシーンも登場する。「あまちゃん」を見ながら、「自分も海に潜って、ウニを獲れたら…」と思う視聴者も多いのではないだろうか。

浜辺や漁港で釣りをしている人はよく見かけるが、ウニやサザエ、あわびなどを獲っている人はあまり見かけない。「漁業権」という言葉を耳にするが、一般の人が「おらも、ウニが獲りてぇ」と言って採集することは、何か法的に問題があるのだろうか。村田正人弁護士に聞いた。

●釣りとは違い『漁業権』の侵害になる

「一般の人がウニやサザエ、アワビ、イセエビなどを勝手に採取することはできません。沿岸区域のそういった魚貝藻類は『漁業権』で保護されているからです。

この漁業権を持っていない一般市民が潜って漁をすることは『漁業権侵害罪』となります」

――いわゆる「犯罪」になる?

「はい。漁業権侵害罪は、『漁業法』で《漁業権又は漁業協同組合の組合員の漁業を営む権利を侵害した者は、20万円以下の罰金に処する》(143条1項)と規定されています。漁業権侵害罪は『親告罪』で、漁業権を持っている漁業協同組合が告訴してはじめて、警察が捜査を開始することになります。

また、刑事事件とは別に、漁業権を持っている漁業協同組合に民事で訴えられ、損害賠償の責任を問われることもあります」

――魚釣りとは何が違う?

「漁業権が設定されている海域でも、一般市民が趣味の釣りをすることは、『遊漁』として認められていますが、それには色々な制限があります。

まず、ウニやサザエ、アワビ、イセエビなどは、漁業権対象魚種となっていることが多く、漁業者以外の人が、漁業権の対象となっている水産動植物をとることはできません。また、漁業権の対象以外のものでも遊漁者が使用できる漁具漁法は限られています。採捕について、禁止期間、体長制限の規定もあります。

詳しくは水産庁のホームページにある『都道府県漁業調整規則で定められている遊漁で使用できる漁具・漁法』などを参考に、都道府県の水産担当部局に問い合わせるのが良いでしょう。

なお、潮干狩りのときに、漁業協同組合から『入漁券』を買うのは、漁業権のある漁業協同組合の同意を得て海に入るという意味です」

今年の夏休みは「あまちゃん」のロケ地を訪れる観光客が多そうだが、うっかりウニを獲ろうとしないように注意しよう。地元の人に告訴されて、「じぇじぇ!?」と驚くことのないように。

(弁護士ドットコム トピックス編集部)

【取材協力弁護士】
村田 正人(むらた・まさと)弁護士
1948年、三重県津市生まれ。76年に弁護士登録(三重護士会)。三重県を拠点に活動。得意案件は、交通事故や離婚、環境など。2003年三重弁護士会会長。趣味は旅行と食べ歩き。
事務所名:三重合同法律事務所
事務所URL:http://miegodo.com/

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