自動ブレーキ過信した「ひとりチキンレース」で追突事故…求められる設計思想とは?

弁護士ドットコムニュース / 2017年4月23日 7時57分

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千葉県八千代市で2016年11月、前方の危険を検知して自動的にブレーキがかかる「運転支援機能」がついた日産「セレナ」に試乗した男性客が追突事故を起こし、前の車に乗っていた男女2人がケガを負った。

報道によると、メーカーの説明書には、「自動停止機能」は、雨が降って薄暗く、前の車が黒っぽい状況では作動しないことがあると記載してあり、事故当時は同じ状況だったという。ところが、同乗した自動車販売店の店員が「ブレーキを踏むのを我慢してください」と誤って指示をしたため、男性客はブレーキをかけなかったために事故が起きてしまった。

●国土交通省も注意呼びかけ

4月14日、店長と試乗車に同乗した店員が業務上過失致傷の疑いで、運転していた男性客も自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで書類送検された。この事故を受けて、国土交通省は同日、次のように注意を呼びかけた。

「現在実用化されている『自動運転』機能は、運転者が責任を持って安全運転を行うことを前提とした『運転支援技術』であり、運転者に代わって車が自律的に安全運転を行う、完全な自動運転ではありません」

「運転者は、その機能の限界や注意点を正しく理解し、機能を過信せず、責任を持って安全運転を行う必要があります」

今回の事故は、自動ブレーキに関する誤った認識が原因だった。自動ブレーキが作動しなかったことが原因で事故が起きた場合、誰が責任をとるべきなのか。小林正啓弁護士に聞いた。

●「自動運転技術に対して警鐘を鳴らしている」

「このような事故を、私は『ひとりチキンレース』と呼んでいます。そのままでは追突する状況で、ブレーキを我慢して、自動ブレーキがかかるのが先か、自分が先かを『勝負』するという、馬鹿げた度胸試しという意味です。

現在市販されている自動ブレーキシステムは、決して完全なものではないですから、『ひとりチキンレース』のあげく人身事故を起こせば、過失運転致傷の罪に問われることは当然にも思われます。

しかし、今回のケースは、そう単純ではありませんし、自動運転技術に対して警鐘を鳴らしているようにも見えます」

●「人間は自動システムを過信しがち」

「今回の事故で、『自動ブレーキが作動する』と誤信した責任は、第一に、販売店の店員にあります。店員から自信たっぷりに『ブレーキを我慢して』と指示されれば、一見の客が『必ず自動ブレーキが作動する』と誤信するのは当然といえます。

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