LINEが始めた「要約ニュース」 著作権や報道責任の問題はどうなってる?

弁護士ドットコムニュース / 2013年8月7日 19時29分

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驚異的な成長を遂げるソーシャルメディア「LINE」がニュース事業に参入した。7月18日にスマートフォン専用のニュースアプリ「LINEニュース」をリリースしたのだ。最大の特徴は、マスコミが報じたニュース記事を独自に「要約」して、短いまとめ記事としていることだ。利用者にはありがたいサービスといえそうだが、ネットでは疑問の声もあがっている。

まとめると、疑問は大きく2つに分けられる。1つ目は「権利」の問題。元のニュース記事は各社が労力をかけて作成したものだ。それを引用・要約(改変)し、元記事にはないイメージ写真をつけるのは、著作権的に問題ないのだろうか。

2つ目は「責任」の問題だ。LINEニュースでは編集部スタッフが記事の要約に当たっているが、人の手が加わる以上、ミスが起こり得る。その要約に誤りがあった場合、誰が責任を取るのだろうか。また、編集ミスにより、引用元であるマスコミのイメージが損なわれた場合、マスコミ側がLINEに損害賠償を求めることはできるのだろうか。

これらの疑問について、著作権問題にくわしく、著作権をテーマにしたブログを運営している柿沼太一弁護士に聞いた。

●要約が「単なる事実」のまとめなら、著作権法上は問題ない

「まず、元となるニュース記事については、作成した各社に著作権があります。記事をそのまま引用することは記事の『複製』(著作権法21条)に該当します。また、要約することは通常『翻案』(著作権法27条)に該当します。複製や翻案をする権利は著作者が持っていますから、原則として複製・翻案をしたいなら著作者である報道各社から許諾を受ける必要があります。

LINEニュースが各社から許諾を受けているのかどうかははっきりしませんが、仮に受けているのであれば、著作権法上は当然問題ありません」

――では、許諾を受けていなかったとしたら?

「許諾なく、記事を複製するのはダメです。しかし要約の場合、必ずしもすべてが著作権侵害になるとは限りません。著作権侵害がなければ、許諾も不要です」

――要約が著作権を侵害しないケースとは?

「『要約』といっても、それが『単なる事実』であれば、著作物性はないとされています。したがって、元記事から創作性が認められる表現部分を削ぎ落として、事実部分だけを抽出して利用した場合には、著作権侵害にはならないと考えられます。

実際にLINEニュースがどんな要約をしているのか、実例を見てみましょう。たとえば8月1日に掲載されたものでは、福島第1原発の敷地内にある観測用井戸の水位が上昇していることを報じる記事について、《福島第1原発の観測用井戸の水位が上昇している問題で、東電は31日、工事中の『土の壁』を超え、汚染水が海に漏れる可能性を明かしました》と要約しています。

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