「鮮度落ちるから」とバイト契約打ち切り!? 有期雇用の「雇い止め」はなぜ起きる?

弁護士ドットコムニュース / 2013年8月6日 9時44分

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喫茶店チェーン「カフェ・ベローチェ」を雇い止めになったアルバイトの女性が7月下旬、雇い止めは無効であると主張して、東京地裁に提訴した。

報道によると、女性は2003年~07年と08年7月~13年6月、アルバイトとしてカフェ・ベローチェに勤務。この間、3か月ごとの契約更新を計30回以上繰り返した。ところが昨年、会社側から契約更新回数を上限15回までとするルールが通達され、女性は今年6月に「雇い止め」の通告を受けた。女性はその際、「従業員が入れ替わらないと店の鮮度が落ちる」と言われたとして、損害賠償も求めているという。

今回争点となっている「雇い止め」とは、そもそも何なのだろうか。また、法律は「雇い止め」に何らかの制限を設けているのだろうか。労働問題にくわしい白鳥玲子弁護士に聞いた。

●アルバイトにも「契約更新の期待権」がある

「まず、有期雇用契約というのは、3か月契約や1年契約といった形で、働く期間が定められている労働契約です。アルバイトや派遣社員など、いわゆる非正規雇用の労働者に多く見られる契約です。

今回問題となっている『雇い止め』は、契約の更新をしないで、契約上の期間が満了した時点で辞めてもらうことです」

それだけ聞くと、今回のケースは契約が無事に終了しただけ――と受け止めることもできる気がする。契約が更新されないことに、何の問題があるのだろうか。

「従業員からすれば、いくら有期雇用契約と言っても、何度も契約が更新され長期にわたって働き続けていれば、契約が次も更新されるだろう、今後も働き続けられるだろうと期待するようになります。これを『契約更新の期待権』と言います」

確かに、いくらアルバイトとはいえ長期間、問題無く働き続けていれば、突然首を切られることを前提に生活設計はしないだろう。この期待権は法的にも認められているのだろうか。

「はい。最高裁は、一定の条件を満たす場合には『雇い止め』は許されず、同じ条件の契約が更新される、として、この権利を保護する判断を示しています。

これは『雇い止めの法理』と呼ばれ、昨年改正された労働契約法19条(2012年8月施行)にも盛り込まれました。この『雇い止めの法理』は今度の裁判でも大きな争点の一つとなるでしょう」

「雇い止めの法理」をざっくりと説明すると、有期雇用契約でも何度も更新を繰り返すなど、実質的に無期雇用契約と変わらない場合には、雇い止めは「無期雇用の解雇」と同じ扱われる――言い換えれば「雇い止め」をする際に、解雇と同じ条件を満たす必要が出てくるということだ。

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