身を守るためなら仕方がない!? 「正当防衛」が認められる状況とは?

弁護士ドットコムニュース / 2013年8月5日 20時27分

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米フロリダ州で黒人少年を射殺した元自警団員に「正当防衛」が認められた事件をめぐり、全米が大騒動になっている。各社報道によると、フロリダ州陪審は7月、丸腰の少年を追跡し、もみ合いとなった末に射殺した元自警団員に「正当防衛」を認め、無罪の評決を下した。

ところがこの評決に対し、「人種差別だ」という抗議が殺到。議論はさらに、無罪評決の根拠となった「正当防衛法(Stand Your Ground Law)」の是非にもおよび、ついにはオバマ大統領や司法長官までもが法律見直しを表明する事態に至った。この法律では、生命の危険を感じた場合に殺傷能力がある武器の使用が認められており、衝突が回避できる場合でも武器を使うことが許されていて、現在30州で採用されているという。

何とも驚きの展開だが、もし日本で武器を持った大人が、丸腰の少年を殺してしまった場合、正当防衛が認められる余地はあるのだろうか。そもそも日本では、正当防衛はどんな場合に認められるのだろうか。元検事で、刑事事件に強い山田直子弁護士に聞いた。

●「力には力で対抗」が許されるアメリカの『正当防衛法』

「まず、日本で正当防衛が成立するのは、大まかに言えば、以下の要件を満たす場合です(刑法36条)。

(1)急迫不正の侵害行為があったこと

(2)防衛の意思に基づく行為にあること

(3)防衛行為が防衛手段として必要最小限(相当)であること。

なお、正当防衛には『特例』があって、相手が住居に侵入してきた場合などについては、正当防衛がより認められやすくなっています。具体的には『盗犯等の防止処分に関する法律』1条で、要件の(1)と(2)が緩和されています」

なるほど、自分の家に相手が押し入って来ている場合に、不正な侵害や、防衛の意思が認められやすいというのは、よくわかる。

「米国で議題に上っている『正当防衛法』は、この特例をさらに極端にした内容です。不法侵入者に対する防衛行為については正当防衛が成立するとしていて、しかも『不法侵入』となる場所についても、限りなく拡大させるという解釈がされてきているようです」

フロリダ州法の該当部分を読んでみると、《逃げる必要はない。一歩も引かず、力には力で対抗する権利がある(殺傷力のある武器も含む)》と書いてある。たしかに強烈な内容だ。では、日本ではどうなのだろう。

「日本の場合、住居への侵入を受けた場合でも、先ほどの要件の(3)は緩和されません。つまり対抗手段は必要最小限でなくてはならないのです」

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