痴漢典型例は「家庭持ち四大卒の会社員」「監視強めても続く」千人の分析で見えた実態

弁護士ドットコムニュース / 2017年8月27日 8時18分

また、性犯罪者の間違ったイメージ像として『筋肉隆々で目つきが鋭く、女性を見ると性的興奮を抑えられないような男性』を想像される方も多いですが、クリニックに来る患者さんは色白の細身でナヨっとしていて勤勉な男性が多いです。そして、彼らは訴え出てきそうにない、反発しない弱そうな女性を狙います」

●ストレスへ対処するため、痴漢をする

ーーでは「性欲」が全ての原因ではないとすると、なぜ痴漢行為をしてしまうのでしょうか。

「反復する痴漢行為は、ストレスへの対処行動です。ストレスといっても幅広く、孤独感や不安感、不全感、劣等感もその一つです。そして、痴漢行為の中には、複合的な快楽が要素としてあります。

疲れている時や追い詰められている時に、弱い立場の女性に痴漢という性暴力を行使することで優越感を感じることができる。さらにどうすれば捕まらないかというリスクとスリルたっぷりのゲーム感覚、釣りのようなレジャー感覚、当たりかハズレかのギャンブル性もあり、そこには達成感も加わります。ただ単に女性を触るだけではないのです。様々な要素が絡み合って、痴漢を繰り返しているのです」

ーーなぜ自制が効かないのでしょうか。

「ひとつは成功体験があるからです。ギャンブルをやる人は、負けると思ってパチンコに行かないですよね。それと同じで、痴漢に成功したことが動かざる記憶となっているので、今度こそと繰り返します。

痴漢が常習化すると、セルフコントロールができなくなります。私たちは梅干しを見ると唾液が出ますよね。こういった特定の状況や条件化で衝動の制御ができない状態を『条件反射の回路が作動する』と呼んでいます。これを痴漢に置き換えると、満員電車に乗り合わせると条件反射の『スイッチ』が入ってしまい衝動的に痴漢をするというメカニズムです。そして繰り返すたびに、認知の歪みは強化されます。

だから本来ならば、スイッチをいれないために満員電車を避けないといけないのですが、毎日会社に出勤するためなかなか避けられない。彼らは逮捕されるまで、痴漢の『依存症』であることに自分自身気づいていません。彼らに『逮捕されていなければ、痴漢をずっと続けていましたか?』と聞くと、必ず『はい』と答えます」

●痴漢防止の車内防犯カメラも常習犯には意味がない

ーー性犯罪者に対しては、もっと厳しい刑罰を課すべきだ、GPS監視するべきだといった意見もあります。それについてどう考えますか。

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