ラスベガス銃乱射で警察「部隊の位置をSNS中継しないで」…日本で起きた場合の問題

弁護士ドットコムニュース / 2017年10月5日 9時20分

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死者59人、負傷者500人以上という米国史上最悪となったラスベガスの銃撃事件。報道によると、容疑者の男は10月1日、中心部のホテルから隣接するコンサート会場を狙って銃を乱射、人々がパニックに陥る中、警察が男の居場所を突き止めて部屋に突入したという。

この事件では、現場にいた多くの人々がInstagramやTwitter、Facebookなどで事件の様子を動画や写真をリアルタイムで投稿する一方、地元のラスベガス警察はTwitterで「警察や特殊部隊の位置をネットで中継したりシェアしたりしないでください」と呼びかけた。SNSで容疑者が警察の戦略を知ることで、危険な状態に晒されることを恐れたためだ。

2015年11月に起きたパリの同時多発テロでも、容疑者の捜索が続くベルギーの首都ブリュッセルが厳戒態勢に置かれる中、ベルギー警察がTwitterで警察の動向をSNSにアップすることを自粛してほしいと投稿した。

これを受けて、ネットユーザーたちはブリュッセル厳戒態勢のハッシュタグを使い、警察とは無関係の猫画像を次々と投稿。容疑者が警察に関する情報にアクセスすることを妨害しようと協力した。

もしも、国内で同様の事件が起きて、警察からSNSで中継や投稿をしないよう呼びかけがあったにも関わらず無視した場合、どのような法的問題に発展しうるのか。清水陽平弁護士に聞いた。

●警察の呼びかけに応じないと公務執行妨害罪になる?

「警察がSNSへの投稿を自粛するように呼びかける事態は、今のところ日本で聞いたことはありませんが、今後、そのような呼びかけがされる可能性はあると思います。しかし、これに法的に応じる必要があるかというと、基本的に『ない』という結論になると思います」

例えば、SNSの投稿によって、警察の緊急対応に支障をきたした場合、何か罪に問われる可能性はないのだろうか。

「警察の指示等に従わないことで成立が考えられる罪としては、公務執行妨害罪や偽計業務妨害罪などが考えられます。しかし、公務執行妨害罪は、公務員が職務を執行するにあたって、『暴行又は脅迫』を加えた場合に成立するものです。SNSへの投稿をするということは、『暴行又は脅迫』に当たらないため、公務執行妨害罪が成立することはありません。

また、偽計業務妨害の成立には、『虚偽の風説を流布し、又は偽計を用い』ることが必要であり、『偽計』とは、人を欺罔(きもう=だまして人を錯誤に陥れること、または人を欺く行為)し、または人の錯誤や不知を利用することとされます。

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