人間を助けるはずの「自動ブレーキ」によって事故発生! 自動車メーカーの責任は?

弁護士ドットコムニュース / 2013年8月21日 17時5分

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トヨタと三菱自動車は自社車両の「自動ブレーキ」に欠陥が見つかったとして、6月に相次いでリコールを届け出た。

自動ブレーキは、ミリ波レーダーなどで障害物を感知して作動し、自動的に車の速度を落とす装置だ。「クラウン」など、約2万台をリコールしたトヨタでは、障害物を検知するためのソフトウェアが不適切だったため、乱反射したミリ波レーダーの情報を、まれに前方障害物と誤認識すると発表。「衝突の可能性がないのに自動ブレーキが作動して、予期せぬ急制動がかかるおそれがある」とした。実際、ブレーキの誤動作で、物損事故が1件起きたという。

自動ブレーキはあくまで、運転支援システムという位置づけだ。しかし前述の事故のように、自動ブレーキの不具合のために意図せぬ形でブレーキがかかり、事故につながった場合、事故の責任を自動車メーカーに問うことはできるのだろうか。また、そのような原因で急停止した車に追突した側の責任は、軽減されるのだろうか。射場守夫弁護士に聞いた。

●欠陥車に対しては「製造物責任法」が適用される

まず、自動車メーカーに事故の責任を問えるかだが、射場弁護士は「メーカー対して製造物責任法による責任を追及することが考えられます」と述べる。

「購入した製品に問題があった場合、通常は、販売者の責任となります。しかし、製造物責任法は、製品に欠陥があり、この欠陥によって生命・身体・財産に損害が生じた場合、製造者に直接、損害賠償請求できることを定めています」

どんな「欠陥」があれば、いいのだろうか?

「ここでの『欠陥』とは、その製品が通常有すべき安全性を欠いていることを言います。今回の自動ブレーキの誤作動は、走行中必要性がないのに制動を始め、追突の危険性を発生させるものですから、この自動車は『欠陥』があると言えるでしょう」

●追突してしまった後続車の責任はどうなる?

では、そのような欠陥のある自動車が急停止したために「追突」してしまった車の運転者の責任は、どうなるのだろう。追突はやむをなかったとして、責任が軽減されるのか。射場弁護士によると、急停止した自動車の運転手(被害者)に過失があるといえるかどうかが問題になるという。

「一般的には、このようなブレーキの誤作動を予見するのは困難と考えられますから、被害者の過失は認められず、加害者の責任は軽減されないことになるでしょう。ただし、その場合、加害者は欠陥のある自動車を製造したメーカーに求償することが考えられます。

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