偽サイトに誘導する「迷惑メール」 送っても犯罪にならないの?

弁護士ドットコムニュース / 2013年8月22日 17時25分

写真

関連画像

ここ数年、「迷惑メール」の手口が巧妙になってきている。以前は、あからさまにいかがわしく、一目で迷惑メールとわかるものが目立ったが、最近では思わず感心してしまうほどよく出来たメールが届く。

先日は、楽天市場のキャンペーン期間中に、「楽"店"市場」と名乗る注文確認のメールが送られた。案の定、楽天市場とは全く関係がない迷惑メールだった。ほかにも、大手SNSや配送業者のロゴで安心させておいて、怪しげなサイトへのアクセスをうながすようなメールが、日常的に送られている。また、大手銀行のネットバンキングも、迷惑メールによって偽サイトへ誘導される例があるとして、大々的に注意を呼びかけている。

迷惑メールはこのように巧妙化するばかりで、一向に減る気配がないが、発信元はきちんとお咎めを受けているのだろうか。迷惑メールを送る行為そのものが、犯罪にはならないのだろうか。尾崎博彦弁護士に聞いた。

●『迷惑メール』については法整備が必要だ

「その迷惑メールが『特定電子メール』にあたれば、『特定電子メールの送信の適正化等に関する法律』の対象となります。この法律の禁止事項に違反すれば、刑事罰の対象となります」

――特定電子メールって?

「特定電子メールは『自己または他人の営業につき広告または宣伝を行う手段として送信するメール』と定義されています」

――どんな禁止事項がある?

「まず、特定電子メールを送る際には、送信用メールアドレスやIPアドレス、ドメイン名を偽ることが禁じられています。違反した場合には1年以下の懲役または100万円以下(法人の場合は行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下)の罰金が科せられます」

――ほかにも規制がある?

「はい。営業のために多数の電子メール送信する目的で、架空の電子メールアドレス宛に送信してはならないという規制もあります。手当たり次第の送信を禁止するということです。

また、メール受け取りの承諾や要請をしていない人に対して、特定電子メールを送ることも禁止されています(オプトイン規制)。

これらに違反すると、まずは総務大臣・内閣総理大臣の改善命令が出されます。そして改善命令に従わない場合には、先ほどと同様の刑罰が科せられます」

――「特定電子メール」にあたらない迷惑メールはどうなる?

「広告や宣伝の手段となっていない『迷惑メール』は、上記法律による刑罰の対象とはなりません。

たとえば、クレジットカード情報や口座情報を盗み取るためにニセのサイトに誘導するようなフィッシングメールや、ワンクリック詐欺を誘引するメールなどについて、『送信すること自体』は刑罰の対象とはなっていません。

もちろん詐欺などを行えば犯罪として処罰されますが、今後は、そうした迷惑メールの送信自体も刑罰の対象となるように法整備をする必要があるでしょう」

迷惑メールが巧妙になっている現状からすれば、規制対象を広げるべきなのかもしれない。一方、メールの利用者もフィッシングサイトに誘導するメールを安易にクリックしないよう、注意する必要があるだろう。

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
尾崎 博彦(おざき・ひろひこ)弁護士
大阪弁護士会消費者保護委員会 委員、同高齢者・障害者総合支援センター運営委員会 委員、同民法改正問題特別委員会 委員
事務所名:尾崎法律事務所
事務所URL:http://ozaki-lawoffice.jp/

日本最大級の弁護士/法律ポータルサイト。23万件の相談実績。無料法律相談・弁護士ランキング・口コミ弁護士検索でお悩み解決。他にも弁護士費用の見積比較・法律Q&Aなどの豊富なサービスとコンテンツで「インターネットを通じて法律をもっと身近に、もっと便利に。」

トピックスRSS

ランキング