「公示送達」知らぬ間に訴えられ、裁判所に文書掲示→いつの間にか敗訴…一体何なの?

弁護士ドットコムニュース / 2017年12月18日 10時7分

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知らないうちに訴えられ、いつの間にか敗訴していたーー。甲府市の40代男性は、ある事故について、2015年10月に損害保険会社から訴えられた。同年12月に50万円の支払いを命じる判決が出て、その後確定。しかし、男性が裁判のことを知ったのは、約1年後の2016年11月ごろ。給与などの差し押さえ命令が届いてからだったという。

なぜ、こんなことが起きたのか。共同通信によると、男性が引っ越して住所不明になっていたからだという。この裁判では、裁判所の掲示板に文書を掲示することで、法的に訴状を送ったことになる「公示送達」という方法が使われていた。

男性は裁判のやり直しを希望(再審請求)。東京地裁は、男性が経営する会社の登記を調べれば、転居先が分かったはずと判断し、今年11月15日付で、再度裁判を行う決定を出した。

「公示送達」の仕組みについて、宇田幸生弁護士に聞いた。

●制度上は、裁判所が原告の主張を吟味も…

ーー公示送達はいつでも認められるの?

被告に訴状が送れない場合、被告は裁判を起こされた事実や訴状に反論する機会すら与えられないことになってしまうので、裁判の審理自体が始まらないのが原則です。

しかし、被告が行方不明の場合など、通常の送達が不可能なケースも考えられます。このような場合にまで一律に裁判の審理が始まらない扱いとなってしまえば、原告が裁判を起こした意味がなくなってしまいます。

そこで、民事裁判では一定の要件を満たす場合には、「公示送達」を認めています(民事訴訟法111条)。その際、原則として、原告側は調査したにもかかわらず、被告の行方が不明で、送り先が分からなかったことなどを説明する資料を添付しなくてはなりません(民事訴訟法110条)。万が一、要件を満たさない場合には、公示送達の申立ては却下されることになります。

ーー被告が裁判所の掲示板を見るなんてことはありえる?

公示送達を実施する場合、原則として裁判所の掲示場に掲示してから2週間を経過することにより送達の効力が発生することになります(民事訴訟法112条)。

通常は被告の行方がわからない等の事情があるからこそ、公示送達をしている訳ですから、被告が掲示板を見に来る可能性はほぼないと言っても過言ではありません。しかし、被告が裁判を起こされた事実すら知らなかったとしても、裁判の審理自体は開始されることになるのです。

ーー被告が出廷しない場合、原告の言い分は全部認められるの?

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