高校陸上部「ハンマー」が直撃、サッカー部生徒が死亡…法的責任はどうなる?

弁護士ドットコムニュース / 2017年12月23日 9時47分

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群馬県藤岡市の県立高校のグラウンドで12月20日、陸上競技用のハンマー(重さ:約4キロ)が、サッカー部の2年の男子生徒の頭に当たり、亡くなる事故が起きた。

報道によると、ハンマーは、サッカー部の練習場と隣接したハンマー投げの練習場で、陸上部の3年の生徒が投げたもの。陸上部の生徒は当時、ハンマー投げの練習中で、ハンマーは約50メートル飛んだ。亡くなった男子生徒は、サッカー部の練習用具の後片付けをしているところだったという

ハンマーの練習場には、ハンマーが危険な方角に飛んでいかないように防ぐ防護ネットが設置されており、そのネットに囲まれた正規の位置から投げられたとみられるという。今回、ハンマーを投げた生徒や学校は、法的な責任を問われるのだろうか。秋山直人弁護士に聞いた。

●「過失」の存否が問題になる

「刑事の問題としては、ハンマーを投げた生徒や顧問教諭に業務上過失致死罪(刑法211条/5年以下の懲役・禁固または100万円以下の罰金)が成立するかが問題となります。ただし、生徒は未成年なので、仮に罪が成立しても、いきなり刑事処分を受けることにはなりません。

民事の問題としては、ハンマーを投げた生徒に不法行為責任(民法709条)が、群馬県(県立学校の設置者)に国家賠償責任(国家賠償法1条、2条)が認められるかが問題となります。なお、顧問教諭個人が被害者に対して賠償責任を負うことはありません。

刑事でも民事でも、『過失』があったかどうかが、主として問題となります。一般に、刑事責任を問うための『過失』のほうが、民事責任を問うための『過失』よりも厳格な立証が必要とされており、刑事上は『過失』が認められなくても、民事上は『過失』が認められるということも、ままあります」

●女子用ハンマーだったという報道も

「刑事面で、生徒や顧問教諭に業務上過失致死罪が成立するかについては、『過失』が認定されるかが主として問題となります。事故の予見可能性があったか、事故の回避可能性があったか。いずれもあったとすれば、遵守すべき事故回避措置を怠ったことはないか、といった点が検討されます。

報道によると、高校3年の男子生徒が投げたハンマーは、女子用の重さ約4キロの軽いものだったということです。もし事実だとすると、男子生徒が女子用のハンマーを投げれば、通常想定されているよりも、ハンマーの飛距離が伸びることが予想されますから、予見可能性を認める方向で問題になりえます。

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