派遣先で要求された「ナゾの部費」 支払いを拒めるか?

弁護士ドットコムニュース / 2013年9月5日 16時4分

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派遣社員は正社員に比べると、会社にあまり拘束されない傾向があるが、それなりに上司や同僚とうまく付き合っていく必要がある。だが、謎の「部費」を負担するようにいわれた場合、求めに応じて払うべきなのだろうか。

女性に人気の相談サイト「発言小町」には、派遣先の会社で「部費」を徴収されているという派遣社員から投稿があった。送別会の餞別代にあてるとして、毎月500円ずつ部員から集めているが、実際に餞別のために使われたことはなく、使途は不明確なのだという。

「拒否して仕事をなくすのも嫌なので、いやいや払っていますが、労働基準法とかに引っかからないのでしょうか」。この派遣社員はそうたずねているが、実際はどうなのだろう。会社のトラブルにくわしい今井俊裕弁護士に聞いた。

●労基法違反ではないが、使途不明なのはおかしい

「詳細は不明ですが、『部費』は上司の業務命令によるとは考えにくく、あくまで個々人の意思による自由支払制度だと考えられます。職場の雰囲気を考慮すれば難しいかも知れませんが、支払を拒否するのは自由でしょう」

――従業員からお金を集めても、労基法違反にならない?

「たとえば、労基法には使用者による貯蓄金管理を制限する規制はあります(労基法18条)。ただ、今回の『部費』は社員への返還が予定されている金銭ではないので、これには該当しません。

また、給与天引きは労基法24条1項で規制されていますが、いったん受けとった給与から自由意思で支払う形であれば、違反にはなりません」

――「部費」が何に使われているかもわからないのに、払わなければならない?

「そこはおかしいですね。本来、簡単な形でも会計収支報告はなされるべきですし、誰が資金を管理しているかも説明されるべきです。

もし事前の説明と違い、餞別に使われている実態がないのであれば、現在までの収支報告と使途の説明を求め問題提起すべきでしょう」

――そんなことをしていいの?

「まずは、他の社員や他部の社員の意向もそれとなく聞いてみてはいかがでしょうか。職場の大半の方が支払いを快諾していないのであれば、廃止も検討に値するでしょう」

確かにそこまで「謎」なお金であれば、みな内心では制度に疑問を感じている可能性はある。もし声を上げたことがきっかけで理不尽な制度がなくなれば、ひょっとしたら、部署全体から感謝されることになるかも……?

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
今井 俊裕(いまい・としひろ)弁護士
平成11年弁護士登録。労働(使用者側)、会社法、不動産関連事件の取扱い多数。具体的かつ戦略的な方針提示がモットー。行政における個人情報保護運営審議会、開発審査会の委員歴任。
事務所名:今井法律事務所
事務所URL:http://www.imai-lawoffice.jp

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