AI活用で進むニュースの自動生成、報道現場が直面する「進化」と「衰退」の道

弁護士ドットコムニュース / 2018年3月18日 9時41分

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「AI記者」という言葉を聞くようになった。最近、メディア業界で一番インパクトがあったのは、日本経済新聞社が発表した「決算サマリー」だろう。上場企業が発表する決算データをもとにAIが文章を作成するもので、完全自動で数分で記事が出来上がるという。

●ツイッターのつぶやきを「ニュース」に

こうしたAIによる技術は、報道現場にも少しずつ活用され始めている。「JX通信社」(東京都千代田区)は2016年9月、SNSを監視し、国内外の事件・事故情報やニュース速報を検知する「FASTALERT」をリリースし、現在、NHKと全ての民放キー局が導入している。

「FASTALERT」はAIがSNSでつぶやかれた緊急情報を自動検知し、いつどこで何が起きたのかをまとめて報道機関に通知する。例えば、「横浜駅で非常停止ブザー的みたいなものがなってて帰れなくなっている」「え、線路に人倒れてる」「誰だ、横浜駅で非常停止押したの」といったツイッターのつぶやきが複数あれば、それをまとめて「神奈川県横浜市で鉄道トラブル」と判定。ゆくゆくはこうしたつぶやきから自動で草稿をアウトプットするところまで目指すという。

「消費者にとって必要な情報は時間軸によって変わってくる。どこで何が起きたかという必要最低限の情報であっても、それがリアルタイムで手元に届くことが大事」

こう話すのは、同社代表取締役の米重克洋さん。「FASTALERT」と同じシステムを使った、一般消費者向けのニュース速報アプリ「NewsDigest」も提供している。報道機関での勤務経験がない米重さんは、消費者の目線からニュースを捉え直した。

米重さんは「出される情報が整えば、本質的にはどのストレートニュースも自動化できるが、行政の情報の出し方がすぐに全国的に整うものではない。それを待つよりも、まず民間で吸い上げた情報をプラットフォーム化することが必要」と強調する。

●人間とAIの役割分担が大切

今後AIはニュース作成をどこまで機械化してくれるのだろうか。東北大学の乾健太郎教授は「AIができるところは、皆さんが想像するよりは多くはない」と前置きした上で、「既にデータになっているもので、そのデータの解釈の仕方がパターン化できるものであれば機械化できる可能性がある」と話す。

「株価や企業の業績など、定型的な情報から記事を作るような場合、元のデータとそれによって作られた記事のペアをデータとして貯めておけば、人工知能によって少なくともドラフト作成のような形で支援することができる」

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