政府の海賊版サイト対策「あまりにも早急で杜撰」、「漫画村」「Anitube」「Miomio」遮断へ

弁護士ドットコムニュース / 2018年4月13日 15時31分

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インターネット上で、マンガやアニメが無料で見られる「海賊版サイト」をめぐり、政府は4月13日、知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議で緊急対策を決定した。「漫画村」など、とくに悪質なサイトについては、法制度の整備まで臨時的・緊急的な措置として、民間の通信事業者(プロバイダ)が自主的にブロッキング(アクセス遮断)することが適当という見解を示した。

海賊版サイトによる著作権侵害が深刻になっている中、政府が、刑法の緊急避難をもちいて「ブロッキング要請を検討している」と報じられて以降、法曹関係者や業界団体などから「通信の秘密」や「検閲の禁止」をさだめた憲法21条に違反するといった声が相次いでいた。

政府は、ブロッキングの実施について、関係事業者や有識者を交えた話し合いの場を設けて、早急に必要とされる体制を整えるとしている。しかし、今回の緊急対策について、宍戸常寿・東京大学教授(憲法)は「あまりにも性急で、杜撰な決定をしたという印象をぬぐえない」と強く批判。火種を抱えたまますすんでいきそうだ。

●「漫画村」「Anitube」「Miomio」をブロッキングへ

ブロッキングは現在、「児童ポルノ」の被害拡大防止に限定して実施されている。今回の緊急対策では、特に悪質な海賊版サイトとして、「漫画村」「Anitube(アニチューブ)」「Miomio(ミオミオ)」を名指しした。この3サイトのブロッキングについては、「緊急避難(刑法37条)の要件を満たす場合は、違法性が阻却されると考えられる」という見解を示した。

また、ブロッキングの対象として適当なサイトや、同一とみなされるサイトの類型化などについて、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)事業者やコンテンツ事業者間で、実効性ある運用体制の整備に関して議論・決定する場を知的財産戦略本部下にもうける。そのうえで、その類型化や運用体制の整備について、早急に結論を出すとしている。

ブロッキングの法的根拠を明確にするため、「通信の秘密」や「知る権利」など、法的論点について検討もおこなったうえで、法制度の整備をすすめていく。さらに、リーチサイトを通じた侵害コンテンツへの誘導行為の対応についても検討をすすめて、早ければ次の臨時国会で法案を提出する予定だ。

当初は、政府がプロバイダにブロッキングを「要請」する、と報じられていたが、今回の決定からは「要請」という言葉は消えた。「政府が『強制する』というニュアンスにとられないように配慮した。あくまでブロッキングするかどうかは、民間の事業者の判断にゆだねられる」(内閣府)。プロバイダ側が、ブロッキングしなかったとしても、ペナルティはないとしている。

●宍戸常寿・東京大学教授(憲法)の話

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