国際自動車「会社訴えたら解雇」問題、都労委も「未払い賃金」支払い命令 不当労働行為と認定

弁護士ドットコムニュース / 2018年7月23日 19時11分

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大手タクシー会社「国際自動車」(東京都)の従業員12人が、組合活動として未払い残業代を求める裁判を起こしたところ、雇用の継続を拒否された事件で、東京都労働委員会は7月23日、9人に対する雇止めなどを不当労働行為と認定した。

原職復帰を認め、現在まで在籍していたとみなした15〜29カ月分の賃金総額約6000万円の支払いなどを命じた。9人の中には、他社で働いている人もいる。通常は「中間収入控除」といって、他社での収入は差し引かれることが多いが、今回は控除されなかった。

残る3人のうち2人は、当時75歳で会社の年齢上限だったこと、残る1人は長期間欠勤していたことが理由の雇止めだと認められるとして、不当労働行為とはしなかった。

また、賃金改定に際して、会社がほかの労働組合とのみ交渉し、今回、救済を申し立てた「km国際自動車労働組合」との交渉に応じなかったことも問題視した。

解雇された従業員のひとり西尾善夫さん(69)は、「上(中央労働委員会や裁判所)に訴えかけるような暴挙、愚行はせずに、命令に従ってほしい」と語った。

●社長「提訴する人は再雇用しない」と明言

国際自動車では、2016年に今回の12人を含む組合員56人が会社に対して、未払い残業代を求める訴訟を起こしている。

これに対し、会社は、裁判をした従業員のうち、定年退職を迎える社員や有期社員との契約を更新しなかった。社長は組合との団体交渉の中で、「会社を提訴するような人とは再雇用契約するつもりは一切ありません」と明言している。

この問題をめぐっては、今回と同じ12人が裁判でも争っている。6月14日、東京地裁は12人全員に対する、裁判を理由とした雇止めを違法と判断。総額約3850万円の支払いを命じた。判決を不服として、会社側と労働者側双方が控訴しており、高裁に係属している。

国際自動車は、都労委の判断について、「中労委に再審査の申し立てをすることになるだろう」と争う姿勢を見せている。

(弁護士ドットコムニュース)

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