仕事中の「転職サイト」で退職…会社「賠償しろ」に戸惑いを隠せない

弁護士ドットコムニュース / 2018年10月12日 9時56分

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仕事中にネットサーフィンをしていたことを会社に注意され、損害賠償をするよう迫られたが応じるべきかーー。こんな相談が弁護士ドットコムに寄せられた。

相談者は、1年ほど前に転職してその会社に勤めていた。与えられた仕事はきっちりこなした上で、仕事内容が退屈だったため転職サイトや旅行サイトを見ていたという。ところがある日、上司に呼び出されてネットサーフィンの履歴を示され、退職することになった。

業務時間中のネットサーフィンを理由に退職すること自体は、怠慢だったと反省し、受け入れているという。ところが会社がネットサーフィンで業務をサボっていたとして損害賠償請求をするとまで言ってきたため、相談者は戸惑っている。

こうした会社側の請求に応じるべきなのか。労働問題に詳しい好川久治弁護士に聞いた。

●直ちに解雇されることは考えにくい

ーー業務時間中のネットサーフィンを理由に退職させられることは、どう評価できますか

「業務時間中に仕事と関係のないサイトを見て時間を浪費していたとすれば労働契約上の職務専念義務に違反します。また、業務のために貸与されたパソコンやスマホ等を業務と全く関係のないサイトの閲覧に利用することは、会社が管理ないし所有する設備機器を私的に利用する行為ですので、就業規則等で定める同趣旨の規定に違反することが多いでしょう。

しかし、これらの事由のみによって、いきなり解雇することは一般的にはできません。解雇するには、義務違反の程度が著しく、会社に与えた損害も甚大で、職責上も到底看過できない事情があるとか、あるいは注意処分やけん責、減給などの懲戒処分を経ても改善が見られない事情が必要です。

一方、会社に居づらくなって自ら退職したというならその方の判断です。ただ、会社から長時間にわたって執拗に退職を迫られたとか、退職しなければ解雇する、違約金を請求する、などと強迫や誤解を誘うような言動で退職を余儀なくされた場合には、行為そのものが違法となりますので、損害賠償を請求したり、退職の申入れ自体の効力を争ったりする余地があります」

●会社に「損害」を証明する義務がある

ーー会社が、ネットサーフィンをしていた相談者に対して損害賠償請求をすることについては、どう評価できますか

「妥当かどうかの議論はひとまず置くとして、従業員が仕事と関係のないサイトを閲覧していたこと自体は労働契約上の職務専念義務違反になりますので、これによって会社に損害が発生すれば会社が従業員に損害賠償を請求することは可能です。

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