「デキ婚」新妻に悲劇 夫に同居の約束破られ、生活費も渡してもらえず涙

弁護士ドットコムニュース / 2018年10月16日 10時35分

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「旦那が同居してくれません」という妊娠中の女性から、弁護士ドットコムに相談が寄せられました。

相談者夫婦はいわゆる「デキ婚」。夫には「子どもが産まれる2か月前までに同居する」と言われたものの、約束は守られることなく今に至ります。

「こちらは産休で給料もないのに生活費も病院費もくれません。同居の請求と生活費の請求はできますか?」と女性は切実です。

相談者は、お腹の子どもと夫の3人で暮らしたいと願っています。夫に同居や生活費の支払いを強制することはできるのでしょうか。依藤祐介弁護士に聞きました。

●夫に同居を強制することはできない

ーー法的に夫に同居を強制することはできるのでしょうか。

「民法752条は『夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない』と規定しています。つまり、夫婦には法律上『同居義務』があるということになります。

調停以外に、家庭裁判所に対して、同居を求める審判を申し立てることもできます。調停は当事者間の合意によって成立するものですが、審判は事実の調査および証拠調べをしたうえで、当事者の合意ではなく、裁判官が決定をおこないます。

もっとも、『同居をしなさい』という審判が出たとしても、判例上、同居義務について強制執行することは認められていません。そのため、実際に同居するかは夫次第になり、夫に同居を強制することはできません」

●給与を差し押さえて、生活費をもらうことも

ーー相談者は、夫に生活費や病院費を請求したいと考えています。

「民法760条は『夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する』と規定しています。つまり、生活費や病院費(法律上『婚姻費用』といいます)は当然請求することが可能です。 

婚姻費用は、夫婦それぞれの収入に応じて、収入の高い方から少ない方へ支払うことになります。具体的な金額は、収入に応じた婚姻費用算定表が裁判所で公表されており、その算定表に基づいて決定することになります。もっとも、算定表は絶対的なものではなく、それぞれの事情に応じて、婚姻費用の金額が決められることもあります」

ーー婚姻費用はどのように請求すればよいのでしょうか。

「内容証明郵便で請求することができます。これに応じない場合には、調停や審判を家庭裁判所に申し立てるという方法があります。

婚姻費用が調停や審判で確定すれば、夫が支払ってくれない場合でも、銀行口座や給料を差し押さえて、強制執行することができます」

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
依藤 祐介(よりふじ・ゆうすけ)弁護士
立命館大学文学部を卒業後、平成19年弁護士登録。交通事故、労働事件、家事事件、企業法務等様々な案件に取り組んでいる
事務所名:弁護士法人依藤・櫻井法律事務所
事務所URL:http://law-ys.jp/

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