ネットで100万回殺された弁護士、唐澤貴洋「それでも大した問題じゃないと言えますか」

弁護士ドットコムニュース / 2018年12月18日 8時59分

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2012年から現在まで、ネットで炎上し続けている弁護士がいる。唐澤貴洋弁護士。誹謗中傷の書き込みにとどまらず、殺害予告された回数は100万回。これは、殺害予告ランキングで1位のジャスティン・ビーバーに次ぐ多さという。自宅住所をさらされ、実家も特定され、プライバシーを丸裸にされた上で執拗な攻撃を受ける。実家の墓にはペンキを撒かれ、墓石に「貴洋」とまで書かれた。

唐澤弁護士が12月13日、上梓した著書『炎上弁護士』(日本実業出版社)につづられた、その炎上の記録は壮絶としか言いようがない。きっかけは、巨大掲示板「2ちゃんねる」で2012年3月、誹謗中傷されていた少年の代理人となり、削除請求をしたことだった。以来、止むことのない炎上に満身創痍となりながらも、ネットという新しい場で行われている犯罪行為の数々と、唐澤弁護士は戦い続けてきた。

「炎上」といえば軽く聞こえるが、刑事事件として立件された人は10人を超える。中にはなりすましによる爆破予告など、悪質な犯罪行為も少なくない。それでも、身を危険にさらしながら弁護士を辞めなかったのは、一体なぜなのだろうか。唐澤弁護士にインタビューした。

●「炎上の問題をもっと広く知ってほしい」

——この本は、発売前から反響が大きく、発売日には重版がかかったそうですね。この本を書かれた目的は?

「ネットの権利侵害をめぐる法律を改正してほしいという強い思いからです。そのために、この問題を広く知っていただく必要があると思いました。

ネット上の問題がどういう状態なのか、知っているようで、知られていないところがある。現実の被害にまでつながりますので、『ネットで起きた問題だから、大した問題じゃない』というところでとどまっていられません。しかし、ネット上の権利侵害などを規制する法律は、旧来の法律を無理に対応させて使っています」

——唐澤弁護士がこれまでに被った実害は目を覆いたくなるものがあります。事務所にカッターナイフ入りの封筒が届く、あることないこと書かれたビラを撒かれる、自身や家族を盗撮される、事務所のビル入り口に不審な植木鉢(セシウム検出)を置かれる、不審者が事務所に不法侵入する、事務所の鍵穴にボンドを詰められる…。しかし、やっと最初に逮捕者が出たのは、2015年になってからです。繰り返し爆破予告をしていた人でしたが、それでも刑事裁判では執行猶予付きの有罪判決でした。

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