日本ではほとんど使われていない!? 「夫婦財産契約」って何?

弁護士ドットコムニュース / 2013年11月7日 18時40分

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結婚を目前に控えて、「本当にこの相手でよいのか」と不安になる人は少なくない。あるネットの相談サイトにも、結婚に悩む公務員男性のエピソードが紹介されていた。

男性が気にしているのは、相手の女性が結婚後も「共働き」をしてくれるかどうかだ。二人の間では共働きで合意しているとのことだが、女性が「専業主婦いいな」とつぶやいたことから、「本当に共働きする覚悟があるのか」と不安で、結婚に踏み切れないのだという。

そこで、この男性の同僚Aさんは、この二人に「夫婦財産契約」という制度を紹介しようかと考えている。たとえば、「稼ぎは各自の財産とした上で、各自手取りの6割を生活のために出し合い、残りは各自の自由な財産とする」という契約を結べば、夫婦それぞれが仕事をもって「共働き」をするしかないだろう、というわけだ。

この「夫婦財産契約」とは、いったいどんな制度なのだろうか。

●結婚したら内容を変更できない「特殊な契約」

夫婦財産契約というのは、その名の通り、夫婦の財産関係について取り決めた契約のことだが、実際に夫婦財産契約を結んでいる人はほとんどいないという。

その理由は、夫婦財産契約には厳しい制約があるからだ。具体的には、(1)結婚前にしか締結できない(民法755条)、(2)第三者に対抗するためには登記が必要(同756条)、(3)結婚後は原則的に内容を変更できない(同758条・759条)……といった具合だ。

婚姻中の契約はいつでも取り消すことができると、民法754条で定められていることもあり、このような制度となっているようだが、法律家の中にも「使い勝手が悪い」と指摘する声があるようだ。法務省の資料を見ても、夫婦財産契約の登記は、全国で年間10件程度しか行われていない。

では、夫婦財産契約の中身は、どんなものが想定されているのだろう?

さきほど紹介した「稼ぎは各自の財産とした上で、各自手取りの6割を生活のために出し合い、残りは各自の自由な財産とする」という内容は、夫婦財産契約として有効なのだろうか。

●「各自手取りの6割を生活のために出し合う」というのは「夫婦財産契約」か?

離婚や親権など家族問題を重点的に取り扱う森一恵弁護士は次のように指摘する。

「このケースは『夫婦財産契約』ではなく、単なる夫婦の内部的な約束にすぎないと考えられます。夫婦財産契約とは、民法の法定財産制とは異なる契約を言うからです」

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