「非正規にも退職金を払え」判決が話題 正社員との「格差」に警鐘

弁護士ドットコムニュース / 2019年3月20日 9時45分

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東京メトロの売店で働く契約社員らが、正社員と同じように働いているのに待遇格差があるのは不当だと訴えた裁判。東京高裁は、退職金などで「不合理な格差」があることを認め、会社に支払いを命じる判決を2月20日に出しました。

この裁判では、労働契約法20条が禁じる不合理な格差にあたるかどうかが争われました。同様の訴訟で退職金の格差を「違法」とする判決が出たのは、初めてだといいます。

NHKによると、判決で東京高裁の川神裕裁判長は「契約社員らが定年まで10年前後の長期間にわたって勤務していたことから、長年勤務したことをねぎらう性格のある退職金を一切支給しないのは不合理だ」と指摘。

契約社員だった2人に、正社員と同じ基準で算定した額の4分の1にあたる約95万円を退職金として支払うよう命じました。また、住宅手当や時間外手当などにも不合理な格差があると認定し、手当に相当する額を支払うよう命じました。

今回の裁判は、正社員との不合理な格差の是正をめざす契約社員らにとって、重要な意義があると話題になりました。どういうことか、労働問題に詳しい河村健夫弁護士に聞きました。

●個々のケースで判断は割れる部分も

ーー今回の判決の意義を教えてください

「今回の判決は、労働契約法20条を根拠に『非正規雇用にも退職金を支給せよ』と判断して注目されました。ただ、東京高裁の判決が、特に目新しい判断方法を採用したわけではありません。

基本的に、労契法20条に関する最高裁判決(平成30年6月1日)の判断方法に従い、正規雇用と非正規(有期雇用)との間の労働条件の違いについて、その労働条件が設けられた趣旨を具体的に検討して違法かどうかを判断しています」

ーーどういうことでしょうか

「今回の判決は『非正規雇用者にも退職金を一部支払え』と言いましたし、直前に出た大阪医科大学についての大阪高裁判決は『アルバイト職員にもボーナスを払え』と言いました。

しかし、それはあくまで東京メトロなり大阪医大の退職金制度や賞与の制度趣旨を具体的に検討した結果であって、どの会社においても『アルバイトにもボーナスを払わないと違法』『非正規にも退職金を支給しないと違法』と判断したわけではありません」

ーー個々のケースによって判断は割れる部分があるのですね

「はい。たとえば、東京メトロ控訴審判決(今回の東京高裁判決)では、非正規で雇用された人への賞与不支給を適法と判断しました。これは大阪高裁と逆の判断ですが、その理由は、大阪医大と東京メトロにおける賞与の位置づけが異なるからという他ありません。

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