「有期雇用」10年まで更新へ 「政府の新方針」で働き方はどう変わる?

弁護士ドットコムニュース / 2013年11月14日 16時45分

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1年間など期間限定で働く「有期雇用契約」。契約社員がその典型で、もし契約が更新されなければ失業してしまう不安定な状態と言える。

そうした状態を改善するため、今年4月に施行された改正労働契約法に、ある《ルール》が盛り込まれた。それは《有期雇用契約が5年を超えて反復・継続されれば、期間を定めない無期雇用契約に変えられる権利が与えられる》という内容だ。

ところが報道によると、政府はこのほど、この権利が発生する条件を、5年超から「10年超」に変更する方針を固めた。さらなる改正法案は来年、国会に提出される見込みだという。

たしかに、今春始まった《ルール》には、拒否反応も出ている。有名私大や大手喫茶チェーンなどが法施行直前に契約更新を打ち切ったり、「5年経つ前に契約更新をやめる」という方針を打ち出すなど、社会問題となっているのだ。

どうやら単純な問題ではなさそうだが、いま有期雇用契約で働いている人たちは、新しい政府方針をどう受け止めればいいのだろうか。日本労働弁護団事務局次長をつとめる今泉義竜弁護士に聞いた。

●「10年」では本来の目的は骨抜きになる

「4月に施行された改正労働契約法18条は、不安定な有期契約で働いている労働者が安心して働き続けられるようにしようという目的で、『働いている人の希望によって期間を定めない契約に転換できる権利(無期転換権)』を創設したものです。

現在の『5年』という期間は諸外国と比較しても長く、たとえば韓国では2年、スウェーデンは3年、イギリスでは4年で無期転換されるというようになっているようです」

現制度の5年ですら十分「長い」といえそうだ。それをさらに延長するというのは、どんな意味をもつのか?

「『10年』に延長するというのでは、この無期転換権はほとんど意味がなくなるでしょう。『安心して働き続けられるようにする』という本来の目的は骨抜きになってしまいます。

たしかに、今問題となっている『5年直前での雇い止め』の危険は少なくなりますが、10年にわたって雇い止めの恐怖のもとにさらされて働かなければならないことになるのです。このような改正は食い止めなければいけないと思います」

しかし、そうなると現在にわかに問題となっている「5年で雇い止め問題」については、どのように対処すべきなのだろうか。

●雇用契約が「反復継続」されていれば、簡単に雇い止めはできない

「ここで有期労働者のみなさんに知ってほしいのは、改正労働契約法19条です。雇用契約が何度も反復更新されている場合や、更新されるという期待がある場合には、雇い止めが規制され、納得のいく理由のない雇い止めは無効となります」

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