アルコール依存症の夫、妻と子どもに暴言 離婚はできるのか

弁護士ドットコムニュース / 2019年5月3日 8時53分

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アルコール依存症の夫が、子どもに言葉の暴力を吐き、子どもが体調不良になってしまった。離婚理由になるのでしょうかーー。そんな質問が弁護士ドットコムに寄せられました。

夫は「家庭内で私(妻)や子どもたちに対して、突然怒鳴りつけたり、人格を否定したりするような発言をします。娘は酔った状態の父親が怒鳴り、威圧することに恐怖感を覚え「父親と離れて暮らしたい」と言っているそうです。娘は体調不良になり、学校を休みがちになるほど、ストレスを受けています。

そこで「アルコール依存症を理由に離婚できますか?」と、相談者は質問しています。河内良弁護士に聞きました。

●「強度の精神病」あるいは「その他婚姻を継続し難い重大な事由」

ーーアルコール依存症は離婚理由になるのでしょうか

夫のアルコール依存症が、民法の定める離婚理由である「強度の精神病にかかり、回復の見込みがない」(770条1項4号)、あるいは「その他婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)に該当するかを検討することになります。

まず「強度の精神病」に該当するかどうかは、アルコール依存症の程度が重く、人格の荒廃が進んで、コミュニケーションも取れない程度に至っているかが問題となります。

しかし、酒を飲まなければ良好な人格を保っているということであれば、この程度には至っていないと考えられます。

ーー「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかについては、どうですか

子どもの体調不良をもたらすほどに強いストレスを与え、その原因となるアルコールへの依存が断ち切れないことが立証できるのであれば、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するものとして、離婚請求が認められ得ると思います。

ーー離婚を進めるにあたって、何か注意点はありますか

今回のようなケースでは、いざ離婚調停や離婚訴訟になると、夫が「妻や子を怒鳴ったことなどない」などと、事実を否定しようとすることが多くあります。しかし、家庭内で起こる出来事でもあるので、立証に困難をきたすことが少なくありません。

そこで、室内に隠し撮りカメラを設置するなどの方法で、家庭内で暴言を吐いたり怒鳴ったりする夫の姿を録音録画して証拠化する準備をするとともに、状況を具体的に記述した日記などをつけることをお勧めします。

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
河内 良(かわち・りょう)弁護士
大学時代は新聞奨学生として過ごし、平成18年に旧司法試験に合格。平成28年3月に独立した。趣味はドライブと温泉めぐり。

事務所名:河内良法律事務所
事務所URL:http://www.kawachiryo-law.jp

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