プロ野球選手は職場を選べない、厳しい移籍制限「現役ドラフト」への期待

弁護士ドットコムニュース / 2019年5月1日 8時49分

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開幕して1カ月あまりのプロ野球。厳しいシーズン中も選手は球界活性化のために意見を出し合っている。労働組合「日本プロ野球選手会」としての活動だ。個人事業主ではあるものの、労働組合法上はプロ野球選手も「労働者」とされる。

選手会は年2回、シーズンが中断する夏のオールスター期間とオフに大会を開催。各球団の選手会長らを通じて選手たちの意見を吸い上げ、議論している。

今シーズンは開幕前の3月26日に「選手会ビジョン2019」を発表した。現役ドラフトの創設やFA権の期間短縮を通した「移籍の活発化」などを提言したものだ。オフの議論をベースに、選手会事務局(非選手)が各球団キャンプをまわって調整していた。

選手が球界に対して、どのような改革を望んでいるのか。元阪神の外野手で選手会事務局長の森忠仁さんに話を聞いた。

●「職場」を選べないプロ野球選手

プロ野球選手はドラフトで指名されて入団する。「逆指名」制度がなくなって久しく、「職場」を選ぶ権利はない。自発的に選べるとすれば、FA宣言したときくらいだ。

「入り口は選べないし、入ってからもなかなかチームを選べない。どっちかはと思っているんです」

森さんは移籍の活発化について、このように話す。しかし、選手が球団を自由に選べれば、資金力のある球団の一強になってしまう恐れがある。

「選手会としても『戦力均衡』は大切だと思っています。その前提で『自由な競争』とのバランスを適正化すべきだと考えています」

●移籍制限は独禁法違反?

提言の背景には、公正取引委員会が2018年2月に公表した報告書の存在もある。労働分野への独占禁止法の適用について検討したものだ。

具体的には、芸能人やスポーツ選手の過度な移籍制限についても、独禁法違反になる恐れがあると指摘している。公表以来、スポーツ界でもラグビーや陸上で移籍制限の見直しが起きた。

プロ野球も移籍があるとすれば、FAかその人的補償、トレード、自由契約くらいと選択肢が限られている。あとは海外ポスティング(入札)くらいだ。選手会としても、注目度が高いうちに問題提起したいという思いがあるようだ。

●FAのハードルを下げる

では、選手会はどういう変更を求めているのか。1つは期間を短縮するなどして、FA権の取得ハードルを下げることだ。

チームによっては同じポジションに有力なレギュラーがいて、実力があっても1軍の出場機会に恵まれない選手もいる。そんな選手は他球団に移れば、年俸が大きく変わる可能性だってある。

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