東京五輪は「負の遺産」になる? 長野五輪の廃れた施設、ポケモン守る聖火台…

弁護士ドットコムニュース / 2019年5月26日 10時38分

しかし、競技だけが五輪ではない。開会式当日は、チケットはないものの、雰囲気を味わうため、寒空の下に市民が集まってきていた。漏れてくる会場からの華やかな音を聞きながら、市民の人たちにコメントをいただいていたが、途中であまりの寒さにボールペンがうまく書けなかった覚えがある。

そんな長野オリンピックスタジアムは現在、周辺が整備されて市民に愛される大型公園になっていた。スタジアムを囲むように遊歩道や遊具があり、大勢の家族づれで賑わっていた。スタジアムでは、地元のプロ野球独立リーグのチーム「信濃グランセローズ」の試合が開かれ、ファンたちが開場を待って並んでいた。

スタジアムの近くに、聖火台が残されていた。伊藤みどりさんが奇抜な衣装で点火したあの聖火台だ。今では、ポケモンGOのジムになっており、その日は黒、赤、黄、緑、青の五輪カラーのポケモンたちが聖火台を守っていた。

●「負の遺産」の象徴となったスパイラル

次に訪れたのは、長野市の北部にあるスパイラル。五輪直前に整備され、スパイラルへの輸送に利用された浅川ループラインを抜けるとほどなく現地に到着する。実に20年ぶりのスパイラル。4月の週末にも関わらず、駐車場には一台も止まっていなかった。もしかして、見学もできない状態なのだろうか。訪問前に長野市のサイトには特に見学の案内などが記されていなかったことが頭をよぎる。

まだ雪が残る道を進むと、「見学者入口 ここからお入りください。」と書いてある看板を見つけほっとする。言われた通り、通路を進むと、うねるように上から下るコースが目前に広がった。

大会時、ここも観戦の人々であふれていた。コース脇の坂道を雪でつるつる滑りながら登り、あっという間に目の前を通り過ぎる選手たちに声援を送っていた観衆が、今でも思い浮かぶ。しかし、101億円かけて建設された施設も、20年以上を経てすっかり塗装が剥げ、見る影もない。五輪のエンブレムが掲げられた建物も静まり返っている。

近年、開催都市はその莫大な開催費用に苦しむケースが少なくない。パリに決まった2024年の五輪は、招致レースでブダペストやハンブルク、ローマがコストを理由に相次いで撤退した。1都市で開催するには負担が大きすぎるのだ。

そり競技は国内競技人口が約150人と、とても少ない。ところが、五輪開催が決まれば、開催都市はすべての競技施設を用意しなければならない。2018年、韓国の平昌五輪では、そり競技会場「平昌アルペンシアスライディングセンター」がわずか10日で閉鎖されている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング