東京五輪は「負の遺産」になる? 長野五輪の廃れた施設、ポケモン守る聖火台…

弁護士ドットコムニュース / 2019年5月26日 10時38分

今後、国際オリンピック委員会は五輪後に採算の取れない施設は、他の都市や国・地域で既存施設で代用するなど、大会運営を柔軟に行わなければ、名乗りをあげる都市はなくなってしまうのではないだろうか。しばし、スパイラルで長野五輪の思い出にふけっていたが、本当に誰も来ない。人よりも先に、クマが現れるのではないかと怖くなり、立ち去った。

●エムウェーブは長野五輪のレガシーに

最後に訪れたのはスピードスケート競技会場になった「エムウェーブ」だ。信州の山並みをイメージしたM字型の屋根がまず目に入る。建設費用は264億円という巨大な施設だ。

大会中、「高速リンク」と呼ばれたここで生まれたメダルラッシュに市民も熱狂した。清水宏保選手が日本人初の男子500m金メダルを獲得した瞬間、私も会場にいた。観戦に来ていた人たちのコメントを取るため、観客席を駆けずり回っていた。ゴールの瞬間も、観客の表情を見逃さないよう、清水選手に背を向けていたため、何も見ていない。

あの沸きに沸いた会場も、現在は落ち着いている。観客席の一部が見学コースになっており、会場内部を見ることができた。出迎えてくれたのがスノーレッツ。長野五輪の公式マスコットキャラクターだ。大きな4羽のフクロウの着ぐるみがモアイ像のように鎮座していた。近くで見ると、目が黄色くて大きくて、ちょっと怖い。

現在、エムウェーブは、冬季にはスピードスケートの大会が開かれるほか、ナショナルトレーニングセンター(NTC)競技別強化拠点として、スケート選手の育成拠点にもなっている。スケート教室も盛んだ。一方でシーズンオフには、北信最大規模の屋内施設として、コンサートなどのイベントも開かれる。

エムウェーブはアイスホッケー会場だったビックハットとともに、市が6割を出資する第3セクターによって運営されている。大会直後は年間4000万円以上の赤字だったが、夏場にコンサートなどを積極的に誘致し、黒字転換した。しかし、市からの指定管理料やNTCとして国から出される維持管理費もあることから、手放しで喜ぶことは難しい。それでも、エムウェーブは長野五輪のレガシーとして存在感を放っている。

●五輪はたった2週間で終わるお祭り騒ぎ、その後は…?

エムウェーブの中には、入場無料の「長野オリンピックミュージアム」があった。開会式のパフォーマンスの衣装やモーグルで金メダルに輝いた里谷多英選手のウェア、「開閉会式でサマランチ会長がスピーチした演台」など、五輪マニアにはたまらない展示物が展示されている。

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