東京五輪は「負の遺産」になる? 長野五輪の廃れた施設、ポケモン守る聖火台…

弁護士ドットコムニュース / 2019年5月26日 10時38分

展示では、市内の小中学校が参加国と交流する「一校一国運動」の紹介もあった。この日、たまたま知り合った長野市の男性から、いまだ続いている学校もあると教わった。東京五輪ではデンマーク代表の水泳チームが長野市で合宿することが予定されている。デンマークとつながりのある市立川中島中学では、選手とも交流する計画だという。

「そういうつながりがまだあることが、長野五輪の遺産です」と男性は話す。エムウェーブにも長野五輪をきっかけに生まれたボランティアグループがあり、運営を支えていると聞いた。一時期だけだが、長野市民だった身にとっては、うれしい話だ。

しかし、エムウェーブ、ビッグハット、ホワイトリング、長野オリンピックスタジアム、アクアウイングの5施設は改修費用などが今後10年で45億円かかるとされている。長野市の財政への負担は決して少なくない。長野五輪の遺産をどう活用していくか、今後も現状に甘んじない運営が求められる。

1997年から1998年にかけ、長野五輪が近づくにつれ、市街地には海外メディアや五輪関係者が日に日に増え、活気に沸いた。大会が始まれば、国内外から観戦客が押し寄せ、夜も町は大騒ぎだった。ところが、そのお祭りもたった2週間で終わる。その後、パラリンピックが開かれたが、それも閉会すれば祭りの余韻を残さず、人々は日常に戻り、町はまた静かになった。そうして、20年にわたるお祭りにかかった費用の地道な返済と、残された大きな施設の活用という困難が始まったのだ。

東京五輪でも、同じことが起きるかもしれない。来年の開催に向けて、メディアは膨大な五輪のニュースを流していくだろうが、その後に何が残るのか。長野五輪のレガシーと負の遺産を振り返りながら、私たちはよくよく、見極めなければならない。

(弁護士ドットコムニュース)

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