生命保険の細かくて長~い「約款」 契約前に全部読まないとダメなのか?

弁護士ドットコムニュース / 2013年11月23日 13時15分

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生命保険の契約をむすぶ際、保険会社から渡されるのが「約款」。給付金の請求手続きなど、生保と加入者の双方が守るべき事項が盛り込まれた大変重要な文書だ。しかし、記載内容は非常に細かく、量も多い。たとえば、ある大手生保の終身がん保険の約款は、A4の紙で14ページにも及ぶ。

保険という商品の性質上、取り決めが詳細になるのは、ある程度やむを得ないだろう。生保側も語句を平易にしたり、図表を用いたりするなど、読みやすくしようとさまざまな工夫を凝らしている。しかし、それでも契約者のなかで隅々まで目を通し、内容をすべて正しく理解している人は、決して多くないのではないか。

保険金の請求などをめぐってトラブルになった場合、やはり約款を全部読んで理解していないと不利になるのだろうか。大手保険会社に勤務した経験をもち、保険の問題にくわしい好川久治弁護士に聞いた。

●生活のなかには「約款」があふれている

「約款は、多数の利用者との契約を大量かつ画一的に処理するため、企業などが予め作成した契約条項の集まりです。

生命保険に限らず、鉄道・バス・飛行機・船舶などの旅客運送や、宅配・引越などの物品運送、旅行・通信・不動産・銀行などの各種取引、ソフトウェア製品の購入、インターネットサイトの利用など、私たちの生活のなかには、約款があふれています。

約款は、大量の定型的な取引を迅速かつ効率的に行うために不可欠であり、社会的必要性は極めて高いものです」

好川弁護士はまず、約款の必要性について、このように強調した。

「裁判例でも、約款の有効性は広く認められています。約款によることが通例で、利用者の信頼の高い取引分野では、利用者は約款による取引の意思を有するものと推定されます。

そういうケースでは、たとえ利用者が個々の契約条項を知らなくても、約款が利用者を拘束する、としています」

つまり、先ほど挙げられたような分野では、約款はある意味、常識的な「ルール」として、利用者側もそれを知っているとみなされているということだろう。

●非合理的な内容の約款は認められない

そうなると心配なのが、もしその約款に、こっそりと常識はずれのルールが盛り込まれていたら、という点だ。

「約款は、交渉により内容を修正することは予定されておらず、利用者には約款を受け入れるか、取引をしないかの選択肢しかありません。

そのため、約款を利用した取引では、利用者保護の観点から、利用者が予め約款の内容を知り得る機会が保障され、内容も合理的であることが強く要請されます」

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